ネット配信用に上演された喜劇「人類館」=沖縄県西原町で2021年2月14日午後4時13分、遠藤孝康撮影 今から118年前の明治時代後期、大阪で起きた「人類館事件」。沖縄に対する差別の象徴とされるこの事件を題材に制作された戯曲が7年ぶりに沖縄で上演され、16日からネット配信も始まる。女性への蔑視発言や新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療従事者らへの偏見などが問題となる中、「人類館事件」は投げ掛ける。なぜ人間は差別を生んでしまうのかと。【遠藤孝康/那覇支局】 1903(明治36)年3~7月、大阪市の天王寺周辺で政府主催の内国勧業博覧会が開かれた。産業の発展による国力の強化を国内外に示す博覧会で、会場の外の民間パビリオンとして設置されたのが「学術人類館」だった。館内では「異人種」として、アイヌや台湾先住民たちのほか、琉球人(沖縄の人たち)らが見せ物として「展示」された。当時の開設趣意書には「生