元従業員が競合ソフトウェアの開発に関わったという事例におけるソースコードの「使用」が争点となった事例。 事案の概要 基本的な事実関係は,東京地判平27.6.25及びその控訴審・知財高判平28.3.23と同様だと思われる。いずれもXの元従業員A,Bらが所属するYが開発・販売する字幕制作用ソフトウェアの権利関係について争いになった事件だが,前訴は,プログラム及びデータベースの著作権侵害を理由に権利行使したのに対し(前訴にかかる請求はいずれも棄却。),本訴は,ソースコード等が営業秘密であるとして,不正競争防止法に基づく請求を行った事案である。 ここで取り上げる争点 (1)Yが本件ソースコードを使用したか (2)上記の行為が不正競争行為に該当するか 裁判所の判断 本件の特徴として,XとYそれぞれのソースコードの類似点を分析するために鑑定が行われたことが挙げられる。その結果等は判決文に詳細に表れてい