「残虐極まりない事件。死刑か無期懲役から量刑を決めていただくことになる」と検察側は冒頭陳述で述べ、弁護側は「死刑を躊躇(ちゅう・ちょ)する理由が一つでもないか考えて」と訴えた。男性2人に対する殺人や強盗殺人の罪に問われた池田容之被告(32)に対し、横浜地裁で1日始まった裁判員裁判は、初日から死刑求刑を強く意識したやり取りが交わされた。裁判員らは時に被告の顔を見据え、時に顔をしかめながら審理を聴いた。 (太田泉生、曽田幹東) 「麻薬密輸組織のメンバーとトラブルになった人物を殺害し、国内で密売の利権を得ようとした」「生きたまま被害者の首を電動ノコギリで断ち切って殺害した」。検察側は冒頭陳述で、事件の反社会性や残虐さを強調した。 冒頭陳述によれば、麻薬密輸組織で池田被告の上役だった近藤剛郎容疑者(26)=強盗殺人容疑などで国際手配=が昨年6月、近藤容疑者とトラブルがあった被害者2人から迷惑