これまで1種だけとされていた日本の野生メダカに、もう1つ別の種が存在することが、近畿大学大学院の院生、朝井俊亘(としのぶ)さん(博士課程3年)による3年がかりの調査で明らかとなった。 日本に生息するメダカは、19世紀半ばにドイツ人の医師・博物学者、シーボルト(1796-1866年)が海外に紹介して以来、「オリジアス・ラティペス」という学名の1種だけとされていた。1980年代には酒泉満・新潟大学教授が分子遺伝学的な解析を行い、日本のメダカが、青森県から京都府の日本海側に分布する「北日本集団」と、それ以外の地域に分布する「南日本集団」に大別したが、形態的な特徴からの分類学的な検証はされていなかった。 朝井さんは、2009年から北海道から沖縄県までの全国を調査し、50カ所以上の地域からメダカを採取して600匹以上の標本を作製し、詳しく形態を調べた。その結果、「オリジアス・ラティペス」は南日本集団