放射能問題に立ち向かう哲学 (筑摩選書) 作者: 一ノ瀬正樹出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 561回この商品を含むブログ (9件) を見る 題名を見た瞬間、非常にいやな予感がした。哲学者がこの手の話をすると、現状の放射線の水準もろくに調べずに危険だ危険だこわいこわいとわめきたてる人々の主張を、非常にだらしなく肯定しちゃって、科学はダメだ、原発は科学の産物だからその科学を使ってリスクの考察とかするのはダメ、人々の直感と根源的な恐怖こそ正しい、みたいなホンッとどうしようもないところに行ってしまうので、その手の本じゃないかと思った(というか、それを期待してわざわざ買ったのだ)。「放射能」問題というのもその手の不勉強な人たちがよくやる用語法だし。 でもその期待は、ありがたく(というべきか残念ながらというべきか)裏切られた。現状の放射線