でも、魔女にはなれない こういうわけで、魔女は、少なくとも私にとってはとても魅力的ですし、できることならそうなりなかったと思います。実際に女神などを信仰している人には尊敬の念を抱いています。でも、私にはどうしても魔女になることはできませんでした。理由はふたつあります。ひとつには女神信仰には本質主義的なところがあること、ふたつには私が個人的にとても大事だと思っている学問、とくに歴史学や科学と衝突することです。 ウィッカなどの女神信仰では、女性に本質的に備わる出産の力が重視されていますが、私は全ての女性には何か根本的に男性と違う精神性が備わっているというような前提には懐疑的です。個人的に、出産などを過剰に礼賛するのは子どもを産みたくない女性、子どもを産めない女性に対する偏見につながりやすいと思うところもあるので、その点でも眉に唾をつけざるを得ません。また、ウィッカの実践者は月経が女性の身体を刷