理想的な差動増幅器は,同相信号を入力しても出力は0です.実際は同相入力を与えたことにより僅かながら出力に変化が表れます.それでは,図1の1%の抵抗誤差を与えた回路Aと回路Bで,同相の信号を除去する能力(CMRR :Common Mode Rejection Ratio:同相信号除去比)が低いのはどちらの回路? ここではOPアンプと抵抗を用いた差動増幅器において抵抗の誤差により生ずるCMRRについて考えます. R1とR3は1kΩ,R2とR4は10kΩとし1%の誤差を持つ抵抗で二つの差動増幅器を作ったところ回路A, 回路Bの各抵抗値は,抵抗の誤差により図1のようになりました.「R1=R3,R2=R4でR2/R1=R4/R3」であればOPアンプの持つ高いCMRRが得られますが,実際は抵抗の誤差によりCMRRが低くなります.二つの回路において抵抗の誤差によるミスマッチの効果でCMRRが低いのはどち