ここでは久しぶりに書く気がしますが、別に中国史趣味を忘れてしまったわけではなく、ツィッターあたりでちょくちょく書いていました。ただツィッターでは長文がつらいので、今回はこちらで書きます。 以下は首級がどうとかいう話をしているので、そこが苦手な方は回れ右してください。お題のとおりの話ですが、いちおう歴史話のつもりでして、原泰久『キングダム』の展開とは一切関係ありませんので、お間違いなきようお願いします。現在のところ李信についての唯一の根史料は司馬遷『史記』でして、そこからしか語り出せないと思います。 『史記』王翦列伝 「秦將李信者,年少壯勇,嘗以兵數千逐燕太子丹至於衍水中,卒破得丹,始皇以為賢勇。」 (秦の将軍の李信は、年若く血気盛んで勇ましく、かつて兵数千をもって燕の太子丹を衍水の中まで追い、ついに丹を破って捕らえたので、始皇はかれを賢く勇敢であるとみなしていた。) 「得丹」というのが生擒