戦後日本の創作絵本をリードし、ロングセラー「からすのパンやさん」「だるまちゃんとてんぐちゃん」をはじめ、600点以上を描いた絵本作家の加古里子(かこ・さとし、本名・中島哲=なかじま・さとし)さんが2日死去した。 92歳だった。葬儀は近親者で行った。しのぶ会を後日開く予定。 福井県生まれ。東京大学工学部を卒業後、化学会社に勤めながら、紙芝居や幻灯などの作品を発表。高度経済成長を背景に、1959年、ダム建設の仕事をテーマにした「だむのおじさんたち」でデビューした。物語絵本の代表作で、73年初版の「からすのパンやさん」は、見開きページに何十種類ものユニークなパンを描き、240万部を超えるロングセラーとなった。