元祖ハッカー、竹内郁雄先生による書き下ろし連載の第35回。今回のお題は「プログラミング画法」。 ハッカーは、今際の際(いまわのきわ)に何を思うのか──。ハッカーが、ハッカー人生を振り返って思うことは、これからハッカーに少しでも近づこうとする人にとって、貴重な「道しるべ」になるはずです(これまでの連載一覧)。 文:竹内 郁雄 カバー写真: Goto Aki 私が初めてコンピュータに触れたのは大学院に入ってからである。数学の才能がないことが身に沁みて分かり、数学科の人たちが触れたがらないコンピュータに走ったのだ。そこで最初に作った大きな(といってもタカが知れている)プログラムは、いまでいうオセロを競技するプログラムである。 当時はオセロという名前のゲームはなく、リバーシ(reversi)という名前のものが市販されていた。名前はまさに駒を反転させることを表わしている。ハナヤマという玩具メーカから