機械翻訳などiPhone向けのAI(人工知能)を強化している米Apple(アップル)だが、同社は2022年6月に開催した開発者会議「WWDC 2022」に合わせて、興味深い事実を明らかにした。iPhoneで稼働するアップル製AIの多くは、ライバルである米Google(グーグル)のTransformerベースだったのだ。 Transformerは「自己注意機構(SA、Self-Attention)」と呼ばれる技術で、もともとはグーグルが機械翻訳で使うために開発し2017年に論文で詳細を発表した。人間並みの文章読解能力を備えるBERTや人間が書いたような文章を生成できるGPT-3などの言語モデルで使われていることで知られる。最近はその活躍の場を画像認識やロボット制御、プログラムのソースコード生成など様々な領域に広げている。 グーグルのライバルであるアップルも、実はTransformerの熱心な