県は4日、1997年10月の長野新幹線開業時に経営分離されなかったJR信越線長野-篠ノ井間について、しなの鉄道が乗り入れる現行方式を今後も続けることが適当とし、JR東日本に経営権見直しを求めていた従来方針を転換することを明らかにした。同区間の経営権を得た場合、名古屋や大阪方面を結ぶJR列車などとの運行調整を同鉄道が担うのは困難-といったことを理由に挙げている。 長野市など沿線4市町とつくる長野以北並行在来線対策協議会(会長・村井仁知事)が同日開いた幹事会で説明。同区間の営業損益の推計も示し、約10億円の赤字になるとの試算が出たことも方針転換の一因とした。 営業損益の試算では、JRがデータを明らかにしていない人件費や駅管理費といったコストを、しなの鉄道の実績を基に推計した。2002年の県とJRの共同調査によると、同区間の運賃収入は年14億円余で「ドル箱」とみられていたが、コストも予想以上