EVは本当に環境に優しいか 近頃の世界の自動車産業は、EV(電気自動車)をターゲットに進化しているように見られる。しかし、その動向に変化の兆候を感じる。カーボンニュートラルを実現する技術は、EVだけではないように思われる。今後は、それらの中で何がキーテクノロジーになるのかを、俯瞰的に考察する必要があると考える。 その切っ掛けは、23年3月に発表された欧州委員会の方針転換があげられる。EU(欧州連合)理事会と欧州議会は、「35年までにすべての新車販売をEV義務化」すると22年10月に合意した。しかし、EUの行政執行機関である欧州委員会とドイツ政府が協議した結果、合成燃料「e-Fuel」を使うエンジン車の新車販売については、35年以降も引き続き容認されることになった。 更に、EV義務化に対してユーザーからも疑問の声が上がり始めている。その一例として、世界でもっともEVが普及している国の一つであ