鹿児島県南さつま市中心部から国道226号を西へ車で約10分。田畑が広がる同市加世田小湊の国道脇に、自動販売機コーナーが現れる。各種ある自販機のなかで、ひときわ年季の入ったたたずまいを見せるのがうどんの自販機だ。設置から約40年。新時代を迎えた今も「昭和」の香りを漂わす。県外からの客もおり、レトロ感も味わいの一つのようだ。 【写真】自販機コーナーのメインに設置された「うどん自販機販売機」。社長は「いつまでも頼れない」と語る 「うどん そば 自販機コーナー」。白いテント地にそう書かれたコーナーには、スナック菓子や飲料水など計8台が立ち並ぶ。その中央で、さびが目立ち、色あせたのがうどんの自販機だ。 正式名は「めん類自動調理販売機」。乾麺に湯を注ぐタイプではない。あらかじめ器にゆで麺や天ぷら、さつま揚げなどがセットされ、硬貨を入れると自動的に湯を注いで麺を温める。そして脱水機のように高速回転させて