新規顧客の獲得、違法賭事事業者によるいわゆる”ただ乗り”の問題、賭事他種目との競争。乗り越えるべき問題にはさまざまな切り口があろうが、ファンをコアな馬券ファンとして定着させる”処方箋”として、日本が海外に提案できる有力な手法が提示されたのは会議終了後。31日、海外からの会議参加者が招かれた札幌競馬観戦会だ。専門紙競馬ブックが当日の札幌英語版を作成。観戦会参加の約80人に配った。 日本の競馬ファンが新聞で目にする出走表は、実は日本独特の文化だ。英国最有力専門紙レーシングポストは過去走を長々と文章で振り返る。フランスのパリ・チュルフは過去数走の着順は並べるが、出走表だけでは差したのか逃げたのかすら分からない。小さな長方形に馬の立ち回りや状態のデータが詰まった「馬箱」は、世界に通用する日本の競馬文化だ。ただ私はこれまで、これが成立するのは漢字というコンパクトな文字特性による面が大きいと思っていた