斎藤環新刊(幻冬社新書)。とても理解しやすく、また興味ぶかく読むことができました。著書名もいい。なかなかそそられるタイトルである。ちょっと椎名林檎っぽいしね。これに限らず、斎藤は著書のネーミングセンスがいい。「メディアは存在しない」「若者のすべて」「生き延びるためのラカン」等、書店でタイトルを見ただけで「読んでみたいなー」とおもわせるものが多い。副題は「成熟はいかにして可能か」であり、斎藤のメインフィールドであるひきこもりを題材にしながら、思春期や成熟といったテーマについて論じている。 思春期や成熟というのは、斎藤がくりかえし取り上げているテーマであり、やっぱり斎藤は「思春期」がすきなんだろうな、と想像してしまう。わたしも思春期がすきである。なぜなら陰鬱でしんどくて救いがないから。いやだったなあ、思春期。治りかけのかさぶたをつい剥がしてしまうように、思春期はいつもじくじくしていた。そんな時