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このコラムでは、「地方を活性化する際のヒント」になるようなトピックをとりあげ、読者の皆さんとともに考えていくことを一つの基本スタイルにしています。 さて、今回も地方を考えるうえで、ぜひ読者の皆さんにお伝えしたい重要なことがあります。それは撤退戦略についてです。地方活性化事業の基本計画などを見ると、もし失敗したときの撤退戦略について書かれているものは皆無といっていいほどです。本当にまったくないのです。 計画の初期段階から責任の所在が不明確 これはどういうことでしょうか。撤退戦略とは、「ある事業がこういう条件を満たさなかったら中止、当初の計画である、この水準を下回ったので撤退する」という要件を入れることなのですが、これがまったくないということです。 地方自治体などの事業をウォッチしていると、「最初は活性化を目的に始まった事業が途中からうまくいかないことが判明し、事実上計画は失敗している」という
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このコラムでは、「地方を活性化する際のヒント」になるようなトピックをとりあげ、読者の皆さんとともに考えていくことを、一つの基本スタイルにしています。 今回、初めてこの連載をお読みになる方は、例えば「なぜ地方は補助金をもらっても衰退するのか」をお読みいただくと、地方を活性するためのポイントが、必ずしもおカネではないことがわかると思います。 予算型の「特産品開発」の問題点は? さて、今回のコラムでは、国や自治体などが支援を行っている「特産品」の問題点について考えてみたいと思います。 ある地域が「自分の地方を活性化したい」という場合、「特産品」の開発は、よく「切り札」のように言われます。「わがまちの名産をつくろう!」 という取り組みにも、さまざまな予算支援が行われています。 例えば「六次産業化」(農業や水産業などの一次産業が、加工(二次産業)や、流通・販売など(三次産業)にまで乗り出すこと)、「
KADOKAWA・DWANGOは1月16日、「セカンドキャリア支援プログラム」と題し、傘下の出版大手KADOKAWAで300人程度の希望退職を募るリストラ策を発表した。1945年創業のKADOKAWAと、1997年誕生のドワンゴ。両社が持ち株会社下で経営統合したのは2014年10月だ。わずか3カ月前だが、まず“人減らし”でKADOKAWAのスリム化を先行させることになった。 希望退職の対象となるのは、3月末時点で、41歳以上かつ勤続5年以上の正社員。退職者には特別支援金を支給し、支援会社を通じて再就職をサポートする。KADOKAWAの正社員は約1980人(2014年9月末)で、今回の募集人数は全体の約15%に当たる。出版市場縮小が続く中、デジタル分野へのシフトを急ぐ考えだ。 KADOKAWAの場合、ドワンゴとの経営統合の1年前、2013年10月に傘下の角川書店、アスキー・メディアワークス、
世界で戦うビジネスパーソンに英語は欠かせない。ではグローバルに展開している、もしくは今後目指していく日本企業は自社の社員に対し、どのような英語学習の機会を与えているのだろうか。 代表的な企業の事例を紹介しよう。ネット通販の楽天、日本最大の製薬メーカーである武田薬品工業、大手総合商社の一角を成す双日だ。この3社は単純なTOEICによる英語能力の測定のみならず、自社が独自に必要と判断する英語学習制度を設けている。 まずは、なんと言っても2012年7月、本格的に英語を社内公用語化して当時の大きな話題となった楽天だ。社を挙げた取り組みの成果は数字にはっきり表れている。単体3762名の社員(14年12月時点)のTOEIC平均点数は794点となり、英語公用語化計画をスタートした10年2月の平均点526点から大幅に向上したのだ。 楽天は、英語を基準とした人事評価も厳格に運用している。社員が部課長級などす
前回のコラムでは、「リアルな地方創生は補助金に頼らない」ということを書きました。多くの読者の方々から「納得できる」「参考になった」といった感想をいただきました。 では、なぜ補助金をもらうと、地方に活力が生まれないのでしょうか。今回はその基本原則について取り上げたいと思います。 タダでおカネをもらえれば活性化しそうなものですが、ズバリ、地方創生に必要なのは「おカネそのもの」ではなく、「おカネを継続的に生み出すエンジン」なのです。 安倍政権が、地方創生を目玉政策にする以前から、地方には莫大な予算が、さまざまな名目で配分されてきました。しかしながら、成果がまったくでない。なぜ何兆円もの資金を、地方の活性化目的に配分しても活性化しないのか。 その理由は、結構シンプルです。つまり「利益」を出さない、いや税金を使う=「利益を出せない」事業ばかりだからです。 中央からカネを送っても、1サイクルで終わる地
時間効率化から時間快適化へ。企業も個人も「創造時間価値」を追求する時代が来たという。 ──時間が資本になるわけですね。 時間は買うものから売るものになり、誰もがわずかな時間を切り売りして活用する時代がやってきた。その影響は消費行動、個人の働き方、企業のあり方にまで及ぶ。 時間を経営資源であり資本だとすると、余分なことに使わず、いかに創造的で豊かな価値のあることに使うのかが大事になる。事業に例えて言えば、民間テレビ放送の番組配分はまさにそう。毎日の放送枠は決まっていて、その24時間の枠をいかに高く広告代理店に売ってもらい、つまらない番組をいかに短縮するかで収益を極大化する。人間もまさに1日24時間、一生を80歳として、その時間枠でどのようなサービスや商品を買い、あるいは売るか。そういう収益極大化モデルに似ている。 高まる「すき間時間」の価値 ──わずかな時間を切り売りする? 情報通信技術の進
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前回(12月9日)のコラム「安倍首相の地方創生は、すでに失敗している」(~明治維新以来の「伝言ゲーム」が地方を滅ぼす~)には、かなり大きな反響がありました。「従来の組織を温存したままで実行する地方活性策は、うまくいかない」「民間に任せよ」ということを指摘したわけですが、問題意識をもっておられる現場の方々などからも、「言いたかったことを言ってくれた」というお話を、多数頂戴しました。 では、「従来の組織」にとらわれず、「新しい発想や仕組み」で「民間に任せている」、地方創生のリアルな現場はないのか。実はあるのです。代表的なのが、私も参画している岩手・紫波(しわ)町の「オガールプロジェクト」(参考記事「小泉進次郎政務官は、ハードボイルドだ!~補助金に頼らない、本物の地方創生とは?)なのですが、今回はこのオガールを題材に、読者のみなさんと考えていきたいと思います。 公共施設は、すべて税金で作らなけれ
「来年は見た目よりも絶対に達成できるという計画を立てて、新体制でしっかり達成し、マーケットの信頼を取り戻したい」キリンホールディングス(HD)の三宅占二社長は会見の場で、悔しそうにこう語った。 キリンHDは12月22日、中間持ち株会社・キリンと事業会社キリンビールで社長を務める磯崎功典氏を新社長に内定したと、発表した。3月末の株主総会を経て就任する。現社長の三宅氏は代表権のない会長に就任する。 このタイミングで社長交代を決めた理由について、「2015年は、最優先課題である国内飲料事業の反転、ブラジル事業の再成長に向けた重要な年。16年から始まる新しい中期経営計画を睨みながら、中長期の視点で再生プランを作成する必要がある。就任以来考えていたが、2015年度は、2016年からの中計を担う人たちにバトンタッチするべきだと考え、退任を決めた」と三宅社長は話す。 国内の競争力低下。アサヒ、サントリー
アメリカのクリスマス商戦がラストスパートを迎えている。多くの小売り業者にとって年間売り上げの3~5割を稼ぐといわれる大事な時期。この期間にあわせてアメリカに旅行する人もいるほどだ。 今年は、ウォルマートがなんと2万点の商品を値下げ。たとえば「iPhone6」は129ドル、55型テレビ678ドル、48型テレビ348ドルなどと、なりふり構わない激安販売に踏み切っている。「ベストバイ」「シアーズ」などの大手小売店も同様の動きだ。「家電はいつ買ったほうがいいか?」と聞かれれば、アメリカの場合は決まっている。このクリスマス商戦の時期である。 それにしても近年の小売り各社の値下げ攻勢は、EC(電子商取引)業者の台頭抜きには語れない。価格とサービスの両面で、リアルの小売業を脅かしている。中でも群を抜いているのはアマゾンドットコム(以下、アマゾン)だ。 2014年はアマゾンが次々と驚きの戦略を打ち出した1
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この度の衆院選で勝利を収めたのは、改選前議席を上回った自公政権ということになる。が、個別政党として勝者と呼べるのは、日本共産党と公明党だ。 共産党は議席数を8から21に激増させ、18年ぶりの小選挙区での当選と、念願の同党単独での法案提出権を手に入れた。また公明党も議席数を31から35まで増やしている。自民党が議席を減らしているため、与党は公明党のおかげで改選前議席を上回った計算になる。 ではなぜ、共産党と公明党が勝者になったのか。これは戦後最低といわれる52.67%の投票率(推定)のおかげもある。必ず一定の票数をひねりだす組織政党は、低投票率ほど有利になるからだ。しかしそればかりではない。戦略のうまさが見てとれる。 雇用不安に脅える若者を取り込み 衆院選の最終日である12月13日。最後の取材を新宿東口に選んだ。共産党が最後の街宣を行うことになっていたからだ。ちなみに昨年の参院選で、共産党の
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近頃、連日のように食品メーカーによる値上げのニュースが発表されている。秋以降に発表されただけでも、ニチレイ、テーブルマーク、味の素が冷凍食品の値上げを発表。また、ロッテ、江崎グリコ、森永乳業、明治はアイスクリームを、日清食品、東洋水産、サンヨー食品などは即席麺を、ハウス食品がカレールー・レトルト食品等を来年から値上げすることになっている。 この値上げラッシュの中、静観を決め込んでいるのがスーパー、コンビニなどのプライベートブランド(PB)商品だ。即席麺を例に取ってみると、メーカー品(ナショナルブランド、NB)はおおむね2015年1月1日出荷分から一斉値上げになるのに対し、PBについてイオン、セブン&アイ・ホールディングス、ローソンは「今のところ値上げの予定はない」(各社広報)と口をそろえる。 PBの値上げは困難 価格を据え置く理由について、「極力お客様に迷惑がかからないようにコスト削減で対
地方創生は安倍政権の大きなテーマですが、別に安倍政権とは関係なく、みなさんも素朴な疑問をお持ちではありませんか?そもそも、これまでも歴代の政権はいろいろな地域活性策を打ってきたはずですが、なぜこうした活性策は、ことごとく失敗してきたのでしょうか。 ひとことでいえば、時代に合わなくなった昔の組織を温存したうえで、政策を実行しているからです。つまり、インターネットも高速道路も新幹線もなかった時代、明治維新政府が樹立したような都道府県・市町村というツリー構造を温存したまま、情報を集めて、その情報をもとに政策を立てて、都道府県・市町村を経て民間に実践させるからです。 このような旧来型の組織構造では、問題が次から次へと加速度的に細分化して深刻化する今の時代には、課題解決を図るのは不可能です。 都道府県単位での社会構造は、すでに崩壊している 私は県庁所在地を「明治維新利権」と冗談で言っています。という
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