上空約千メートルから、本社ヘリ「おおづる」で高濃度のストロンチウムを含む汚染水がタンクから漏れた東京電力福島第一原発の現場を見た。 国際的な事故評価尺度で最悪のレベル7の事故が起きた敷地で、新たな事故が起き、五番目のレベル3と評価されようとしている。 汚染拡大を防ぐため、周辺には土盛りがされ、遮水シートがかぶされていた。しかし、タンク群から数十メートルしか離れていない所に排水溝が見えた。溝に流れ込んでいれば、あっという間に堤防もない外洋に達する。 現場では新たな事故に対応する一方、日々四百トン増える汚染水をためるタンク増設、海近くのトレンチ(地下トンネル)にたまる高濃度汚染水の漏出防止-。同時並行で危機対応を迫られる。小さく見える作業員たちの苦労を思った。 帰りの機内で、作業員から半年前に聞いた話に仰天したことを思い起こした。 「あのタンク、溶接していないって知ってました?」 その話をきっ