前回書き忘れたが、勤労所得税額控除の制度に対する社会民主党や左党などの批判はもう一つあった。失業手当や疾病手当をもらって生計を立てている人は就業インセンティブが低く、自発的に仕事に就こうとしないから、「にんじん」もしくは「アメ」を提示することで再び働かせようという考え方やものの見方に対する批判だ。 これは非常に難しい問題だ。失業している人の多くは本当に仕事がないから失業しているだろうし、疾病手当をもらっている人の多くはケガや病気のために働く能力が低下して働けないから疾病手当に頼っているだろう。しかし、中には「ズル」をしている人もいるだろうし、長期にわたって失業手当や疾病手当の給付を受けてきた人の中には、本当は働けるのだけど、仕事探しをしたり仕事に復帰するのが面倒になり、passive(受け身)化した人もいるだろう。 そういう点を考えた場合に、私自身はこの勤労所得税額控除はうまく考えられたも