2時間10分 隙あらばグローバルスタンダードという基準を作り、あたかも十字軍になったかのように、その普及と宣伝に努め、そこから外れるものは容赦なく切り捨てる。米国の典型的なやり口だ。企業経営の分野では会計基準や企業統治の仕組みがそうやってスタンダード化したが、我々の多くが気づかないところで、もうひとつの事態が進行している。それが本書のテーマ、「労働CSR」である。 CSRとは、ご存じ、Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任であり、労働CSRとは、年端もいかない児童を雇用することや、たとえ成人でも強制的あるいは差別的待遇のもとで働かせるといった、労働分野での人権を侵害せずに、日々の企業活動を行うことを指す。 その内容自体には問題はない。むしろ、歓迎すべきじゃないか、と万人が思うだろう。問題の本質は、それを推進し、各企業にお墨付きを与えるのが米国の民間
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