電車で通勤中、外を眺めると駅前にニョキニョキとタワーマンションの建設が進んでいる…という光景はもはやすっかりお馴染みであろう。筆者も現在は都内のタワーマンションに住んでいる。ニューヨークをはじめとした世界の大都市と違って、地震リスクなどの要因から高層マンションに住む習慣がなかった日本では、本格的に建設ラッシュが始まったのが1990年代後半以降と歴史は浅い(1.)。しかし、実際にタワーマンションに住んでみると、社会のヒエラルキーの一旦が垣間見えてとても興味深い。 ■「見える化」された「上の階の住人オーラ」タワーマンションの値付けは、当然ながら上の階に行くにしたがって高くなっている(しかし、単純に階やサイズだけではなく、たとえば「東京タワーが見える」とか「レインボーブリッジが見える」、「年に一度の花火大会が見える」といった景観価値など、様々な条件で細かく値段が決まっているのも面白い)。したがっ