左右のMFとしてプレーしたマイケル・キャリックとパク・チソンを翻弄するメッシ。類まれな俊敏性と自在なポジションどりで、マンUの布陣を切り裂いた 大方の予想通り、今季のCLファイナルはバルサの勝利で幕を閉じた。ゲームの内容、戦術の進化などについて、さまざまな人が2年前のファイナルと比較しているが、僕の頭に真っ先に浮かんだキーワードは“レス”だった。 2年前のCLファイナル、バルサの鍵を握っていたのはメッシの動きだ。 バルサのフォーメーションは4-3-3。メッシは右のウィングとして先発するが、程なくしてCFのエトオと入れ替わる。いわゆるゼロトップ(本来、CFタイプではない選手が、CFのポジションでプレーする状態)である。 だが本当の焦眉はここから。メッシはCFの位置からさらに攻撃的MFのような位置にまで下がり自由に動き始めた。 破壊力は凄まじかった。マンUはただでさえ中盤で劣勢に立たされていた