バブル崩壊から30年超、日本経済はいまも停滞したままです。しかしこの間、世界各国の賃金は右肩上がりで伸びていると、『日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか』著者で第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏はいいます。日本経済停滞の理由と、韓国が驚異的な賃金の伸びを実現したカラクリについて、“ビッグマック指数”など複数のデータを紐解きながら、永濱氏が解説します。 いまや日本の賃金は韓国よりも低い 日本が安いのは物価だけではありません。[図表3]は、主要先進国と言われるG7諸国(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ)+韓国の1年あたりの平均実質賃金を算出したグラフです。 「購買力平価」とは、生活実感に近いかたちで国際比較ができる“物価のものさし” 日本のずいぶん低い位置が気になると思いますが、まずは用語を説明しておきます。縦軸にある「購買力平価」とは、わかりやすく言