高等専門学校の評価は極めて高い。 「これは面白い」 「いいアイデアだ」 昨年5月、松江工業高専(松江市)を訪ねた経済協力開発機構(OECD)の高等教育視察団のメンバーが、口々につぶやいた。電子情報システム工学専攻1年の舟木勝章さん(21)が作ったトイレ用煙センサーを見た感想だ。 中学卒業後、5年間の高専の課程を終え、専攻科に進んだばかりの課題は、温度や光、動きなどを検知するセンサーを複数使い、独自の発想も盛り込んで、予算7000円以内の電子工作物を作ることだった。 舟木さんは、煙の検知でアラームを鳴らす機能に加え、動きセンサーが人の存在を感じると色つきの水をスプレー、“犯人”がわかるアイデアを入れた。「視察に間に合わせるために締め切りが早まり、徹夜で仕上げたが、考えるのも、作るのも楽しかった」と舟木さん。 OECDの報告書は今夏までに出る。中学卒業段階から専門教育を施す仕組みは国際的にも珍