大連立政権入りが決まった党員投票の結果に拍手を送る人々=ベルリンの社会民主党本部で2018年3月4日、ロイター 【ブリュッセル八田浩輔】ドイツの国政第2党・社会民主党が大連立政権の継続を選び、第4次メルケル政権の発足が決まったことで、欧州連合(EU)は停滞していたEU統合の深化に向けた動きを活発化させそうだ。 昨年9月の独総選挙後の政治空白に伴い、EUでは難民政策や共通通貨のユーロ圏改革など重要な政策課題での議論を深められずにいた。一刻も早い政権発足を待ちわびていたのはフランスのマクロン大統領だ。マクロン氏は昨年5月の大統領就任後、ユーロ圏の共通予算化や防衛分野での協力強化など幅広い領域でのEU改革を提唱。ドイツとの強力な2国間協調をその推進力とすることを望んでいる。 独新政権の発足決定と4日のイタリア総選挙を受け、EUは統合立て直しの柱としてユーロ圏改革の議論を加速化させる。域内の金融行