ヨルゴス・ランティモス監督『女王陛下のお気に入り』を見てきた。 www.foxmovies-jp.com 舞台は18世紀のイングランド宮廷。アン女王(オリヴィア・コールマン)に若い頃から使えている寵臣で女王の恋人でもあるサラ・チャーチル(レイチェル・ヴァイス)は、夫のモールバラ公爵ジョン(マーク・ゲイティス)などと組んで宮廷政治を操っていた。そこへサラの親戚で野心的な若い美女アビゲイル(エマ・ストーン)がやって来て、宮廷に出仕する。不安定な身分のアビゲイルは、自分の足場を固めるためにアン女王の寵愛を横取りしようとするが… 台本、演技、美術、撮影まで、あらゆるところに綿密な気配りがされたブラックユーモア歴史劇である。広角レンズを多用した撮り方に特徴があり、長くて平たい王宮の廊下をわざと歪んでいるように見せて自然とアン女王に観客の目がいくようになっている。主演の3人の女優陣の演技も素晴らしい。