集団殺害問題研究者でもあり、人口学者でもある著者が世界史的に「若者が暴れるとき」を考察した本です。 自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来 (新潮選書)/グナル ハインゾーン 著者が問題とするのは人口ピラミッドをみたときに若者世代が外側に大きく張り出してしまう「ユース・バルジ」という現象。「ユース・バルジ」とは父親の相続権がなく、ポスト、居場所がない「次男坊以下の比率としての若年男子過剰」のこと。その集団は、歴史的に見れば、居場所が用意されない場合、侵略、内戦、戦争、テロなどを引き起こし、どんな宗教であろうがどんな思想であろうが、結果的にはそういった暴力の正当化に使われてしまう、利用される場合が多いよ、という悲しくなるくらい身も蓋もない話が満載です。 --------------- いい大人に成長した息子たちが徒党を組んで運動を繰り広げるとき、それを知的に正当化する格好のイデオロギー