認知症ケアに絵画を取り入れる取り組みが注目されている。芸術を通じて脳の活性化を促そうと、独自のアートプログラムに沿って創作活動を行う「臨床美術」だ。普及のため、平成8年に設立された芸術造形研究所(東京都千代田区)がスタートさせ、全国に広がっている。京都府立医科大では認知症の人たちが家族とともに参加。本人だけでなく、家族のケアにもつながっている。(加納裕子) 感じたままに 1月中旬、京都市上京区の京都府立医科大会議室に、家族とともに認知症の人たち6人が集まった。月に2回の講座を主催しているのは、専門的な訓練を受けた臨床美術士らによる「京都〈臨床美術〉をすすめる会」。同会は18年に発足し、21年から同大での講座を担当する。 認知症の人たちは、家族と別のテーブルに案内されて不安そうな表情もみられたが、スタッフ5人が明るくあいさつして緊張をほぐす。全員と握手する「握手タイム」に続いて、この日のテー
拡大する 東尋坊で保護された人はその後、見回りボランティアと一緒に崖沿いのパトロールに参加する。小野寺萌さんは「自殺を考えた者同士がつながりあえる場になっている」と分析する=坂井市 福井市出身の保健師、小野寺萌さん(29)=兵庫県川西市=が、東尋坊での自殺を考えた人に共通する性格を論文にまとめた。「集中して考えることが苦手」など、外見からは分かりにくい内心を知ることで、自殺防止活動の可能性を高める手がかりになりそうだ。 小野寺さんは、東尋坊で保護された人のシェルターとなっている随應寺(福井市)が実家だ。保健師になるため、2015年春に1年制の藍野大学短期大学部専攻科(大阪府茨木市)に入学。その翌年、卒業論文「自殺念慮を持つ人の人格特性」をまとめた。 自殺防止のための活動をしている「NGO 月光仮面」(69)を通じて、15年夏、崖沿いで保護された男女計19人に心理測定の質問紙を配った。18人
「IWAOモデル」を具現する緩和ケアの臨床教育・研究拠点「まごころの杜」が名古屋で11月1日に開所がん患者を主体に痛みの管理、理学療法、言語聴覚療法などの緩和ケアを提供 名古屋大学発ベンチャーでソーシャルビジネスを社会に問う高齢社会街づくり研究所が主体となって、地域の医療・介護・福祉の発展に寄与することを目的に、医師会・医療機関・介護事業所と連携して在宅緩和ケアと在宅リハビリを推進すべく、「まごころの杜(もり)」(所在:名古屋市熱田区幡野町17番地)が11月1日に開所します。 (※本プレスリリースは、高齢社会街づくり研究所 代表 岩尾 聡士(名古屋大学大学院特任教授)、医療法人陽明会 理事長 岩尾 康子、アイカ工業株式会社 代表取締役社長 小野 勇治 の連名での発表です) 先進国では、社会保障費の枯渇や少子高齢化などによる財源不足からセーフティーネットを行政がカバーすることが困難になってき
「○○ちゃん、すごーいね。○○くん、すごーいね」 9月14日、東京都渋谷区にある民間の療育機関「チルドレン・センター」の教室。自閉症の子ども7人と、椅子を取り合う集団遊び「フルーツバスケット」を楽しみながら、セラピストの女性が手拍子とともに歌っていた。 2時間の集団指導。テーブルの上にあるB4判1枚の個人記録に、当日の子どもの様子がデータとして次々と書き込まれていく。ストップウオッチのタイマーが、頻繁に「ピピッ」と鳴り響く。壁に張られたカリキュラムには、チョコバナナ作りや工作などの予定が5〜15分おきに詰め込まれていた。 センターは東京と米ニューヨークを拠点にして、応用行動分析学(ABA)を基に自閉症児を療育している。臨床心理士や教師、保育士、ソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなど、さまざまなバックグラウンドがあるセラピストが20人体制で活動。2008年から年間約120人、延べ100
個々の医師や医療機関によって診療内容にばらつきが大きいと指摘されている精神科医療の現場に、科学的な根拠に基づく診療ガイドライン(指針)を普及させようと、大阪大など全国22の大学や病院が協力し、若手を中心とした精神科医への教育、講習を進めるプロジェクトを始めた。 普及を目指すのは、代表的な精神疾患である統合失調症の薬物治療に関する指針と、鬱病の治療指針。 プロジェクトをまとめる大阪大の橋本亮太准教授(精神医学)によると、統合失調症への薬物治療では、効果が期待できる抗精神病薬を1種類だけ使う単剤療法が国際的に推奨されている。しかし、国内では複数の薬が同時に処方される例が珍しくないことが過去の調査で示され、深刻な副作用を防ぐための是正が課題になっている。 昨年9月に、日本神経精神薬理学会が国内外の研究成果を基に、単剤療法を推奨する薬物治療指針を発表した。プロジェクトではこれの普及を目指す。
自殺者を生まない社会の実現に向けて県と日本財団(東京、笹川陽平会長)は14日、自殺対策を連携して推進する協定を締結した。4月施行の改正自殺対策基本法は都道府県を含む全自治体に自殺対策計画の策定を義務付けており、両者は他自治体のモデル事例となる計画立案や施策推進の体制整備を進める。県庁で行われた調印式で阿部守一知事と笹川会長は、具体的な自殺者減少の数値目標を定め、計画の遂行に臨む考えを表明した。 厚生労働省の人口動態統計によると、県内の自殺者数は平成8年に374人だったが、12、15年には576人に達した。その後は多少の増減があるものの減少基調にあり、27年は前年よりも58人少ない378人で8年当時の水準に戻った。 日本財団が今月7日に公表した自殺に関する意識調査の県内集計分(有効回答626人)によれば、「本気で自殺したいと考えたことがある」との回答は26・7%で、全国平均を1・3ポイント上
なぜ葉酸サプリメントは必要か 葉酸は妊活・妊娠中に必要なものです。妊娠初期の活発な細胞分裂時には、葉酸がDNAなどの合成に重要な働きをします。 妊娠初期の数週間、胎児の神経管は形成され、神経管は胎児の脳と脊髄、中枢神経系にとても重要な器官ですが、この神経管の形成には母体が摂取する葉酸の量が重要となってます。 妊娠初期の赤ちゃんには、脳や脊髄の基になる神経管という環状構造物が形成されます。この時にたくさんの葉酸が必要となり、葉酸が不足すると先天異常の可能性が高くなるといわれています。 妊娠初期は、脳・神経管・心臓など、人にとって非常に重要な部分が形成される時期。この時期、お母さんは栄養摂取面に特に気を付けたいのです。 食事を摂っていれば葉酸が不足する事はないといわれていますが、妊婦は違います。特に妊娠初期の赤ちゃんにはたくさんの葉酸が必要な事ら、妊娠中の葉酸は不足しがちになります。 医者様よ
津波や住居の変化を経験した子どもでは、アトピー性皮膚炎の症状やこころの所見のある子どもの割合が高いが、時間経過とともに減少傾向が見られる 東北大学東北メディカル・メガバンク機構は平成24‐27年度に宮城県内28市町村の小中学生の保護者を対象に「地域子ども長期健康調査」を実施し、4年間で累計17,043人にご協力いただきました。調査では児童・生徒に、学校を通じて「子どもの健康に関するアンケート」を配布し、ご家庭に持ち帰って保護者の方にご記入いただき、ご返信をいただきました。震災後、宮城県の大部分をカバーする多数の子どもの調査としては、当調査が唯一のものになります。 4年間を通し、アトピー性皮膚炎の症状、こころの所見がある割合が、津波や住居環境の変化を経験した子どもがしない子どもに比べて大きい結果となりましたが、時間経過とともに割合が減少していく傾向が見られました。4年間の累計では、日常生活で
■「生き心地の良い町―この自殺率の低さには理由がある―」(岡檀著、講談社) 日本で最も自殺の少ない町(徳島県海部町:現海陽町の一部)の秘密が徐々に解き明かされていくユニークな本。目から鱗というような衝撃的な事実が明らかになるわけではないが、ちょっと意外な結論に、「なるほど」と納得させられる。 著者は、戦争被害者の聞き取り調査に携わったことを契機として、自殺の要因、とりわけコミュニティの特性に関心を持ち、大学院生に転じた後、修士・博士課程の5年間一貫して、この問題に取り組んだという。自殺が多い理由を調べた研究はあまたあるが、自殺が少ない事実に着目した研究は極めて珍しいとのことで、日本社会精神医学会優秀論文賞を受賞している。 本書では、研究の中身もさることながら、研究テーマの設定から、現地でのフィールドワーク、全国の3300を超える「旧」市町村のデータ解析など、5年間の研究の過程がドキュメンタ
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