日本で最も自殺の少ない町の秘密を解き明かす

■「生き心地の良い町―この自殺率の低さには理由がある―」（岡檀著、講談社） 日本で最も自殺の少ない町（徳島県海部町：現海陽町の一部）の秘密が徐々に解き明かされていくユニークな本。目から鱗というような衝撃的な事実が明らかになるわけではないが、ちょっと意外な結論に、「なるほど」と納得させられる。 著者は、戦争被害者の聞き取り調査に携わったことを契機として、自殺の要因、とりわけコミュニティの特性に関心を持ち、大学院生に転じた後、修士・博士課程の5年間一貫して、この問題に取り組んだという。自殺が多い理由を調べた研究はあまたあるが、自殺が少ない事実に着目した研究は極めて珍しいとのことで、日本社会精神医学会優秀論文賞を受賞している。 本書では、研究の中身もさることながら、研究テーマの設定から、現地でのフィールドワーク、全国の3300を超える「旧」市町村のデータ解析など、5年間の研究の過程がドキュメンタ

[chintaro3]

「海部町からくる患者は診察室へと向かってくる足音が元気だという。よく眠れない、食欲が落ちた、やる気が出ないといって受診する人たちの足音が「元気」」ｗｗｗ

[iww]

「俺が殺すからだ」 みたいな回答ではなかった

[mirinha20kara]

"「助けを求めよ」と言葉によって人を諭すよりも、人が「助けを求めやすい」環境を作ることに腐心してきた"

[fatpapa]

非常に興味深い研究。低自殺率の因子なのかという主題より、村社会におけるステレオタイプな閉鎖性や低プライバシー性を持ちつつどんな経緯で村全体が「嫌われる勇気」や「レリゴー」的性格を身につけたのかが不思議

[maturiya_itto]

「自分が手がけたい研究が過去にほとんど存在しない場合、その研究テーマは「取扱注意」だという。つまり、「先人が手をつけていないテーマは、やる意味がないか、とんでもなく難しいかのいずれか」」

[sca_fukushi-entry]

【今週のフクシ・エントリ！】“自殺が多い理由を調べた研究はあまたあるが、自殺が少ない事実に着目した研究は極めて珍しいとのことで、日本社会精神医学会優秀論文賞を受賞”