今年3月、全国の警察が児童相談所に虐待の疑いがあると通告した子どもの数は04年以来13年連続で増加していると警察庁が発表した。保護者と子どもに一体何が起きているのか。長年、虐待をはじめ、家族や子育てをテーマに取材を続け、『児童虐待から考える』(朝日新書)を上梓したルポライターの杉山春氏に「虐待をしてしまう親の特徴」「虐待を減らすためには」「虐待が社会に訴えるもの」などについて話を聞いた。 ――今回の本に限らず、これまでにも『家族幻想:「ひきこもり」から問う』(ちくま新書)など家族や子育てをテーマにした取材をされています。その理由や、その中での本書の位置づけを教えてください。 杉山:バブルが崩壊した1990年以降、それまで育児誌などのメディアであまり目にしなかった「子どもを叩いてしまう」といった読者投稿や、うまくいかない子育てをテーマにした漫画などが度々掲載され、子育ての大変さが注目されるよ
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