大阪市と枚方市を中心に、訪問看護ステーションと障がい児通所支援事業所を運営する「ユニケア」(大阪市鶴見区、新谷竜也社長)は7月、医療的ケアを必要とする子供向け宿泊施設「こどもショートステイすやすや」(枚方市津田元町1の8の3)を開設した。 看護師が24時間常駐し、子供たちや保護者が安心して過ごせる…
幼い子どもを残してフリーキャスターの小林麻央さんが他界した。子育てをしていてがんと初めて診断される人は年間5万6千人との推計もある。がんで親を亡くす子どもが多い中、がん遺児をサポートする取り組みが始まっている。 がんで親を亡くした子どもの心をケアするNPO法人「AIMS(エイムス)」(東京都)の前身は、胃がんで亡くなった元NHKアナウンサーの小林真理子さん(享年43)が生前の2011年に立ち上げた。 当時、真理子さんの娘は6歳。「自分の死後、まだ十分に思いを周囲に伝えられない娘の心のケアをどうしたらいいのか、小林さんは悩んでいました」。相談に乗っていたカウンセラーで明治学院大名誉教授の井上孝代さん(72)は振り返る。 米などに比べ日本では親を亡くした子どものケアは進んでいないとされる。そんな実情を闘病中に知った真理子さん。AIMS立ち上げの翌月、「この世を無念にも去らざるを得ないパパやママ
障害児を育てる親が自ら、障害児を預かる施設を立ち上げるケースが相次いでいる。重症心身障害児や、日常的に医療的ケアが必要な「医療的ケア児」向けの施設は全国で大幅に不足。「なければつくればいい」という発想だが、行政にも対応を促す取り組みとなっている。 2児の母で看護師、施設を開所 茨城県ひたちなか市のビルにある多機能型重症児デイサービス「kokoro」。医療的ケアが必要な子どもたちがスタッフとプラスチック製ボールが入ったプールで遊んでいた。 施設を運営する社団法人の代表理事を務める紺野昌代さん(39)は、長女の蘭愛(れな)さん(13)と次男の愛聖(まなと)くん(10)が原因不明の難病で寝たきり。胃ろうから栄養を取り、夜間は人工呼吸器が必要だ。 県内には子どもたちを預けられる施設が少なく、あってもベッドに寝かせきりになることも。子どもたちを義母に預けて小児専門の病院で看護師として働いてきたが、預
滋賀県が在宅医療などに対する県民の意識を調査したところ、人生の最期を「自宅で迎えたい」という人が最も多い一方で、6割近くが自宅療養は「困難」としていたことが分かった。家族への負担などを理由に挙げる人が多く、県医療福祉推進課は「望む場所で最期を迎えられる環境づくりが必要」として、今後かかりつけ医の充実などの支援を検討する。 「自宅で最期迎えたい」41・9% 調査は平成24年度に続いて2回目で、今年1月に県内在住の20歳以上の男女3千人に郵送で実施。1749人から回答を得た。 人生の最期を迎えたい場所について、「自宅」と答えた人は41・9%で、前回調査(48・0%)より割合は低かったものの、最も多かった。次いで、病院(22・5%)▽特別養護老人ホーム(5・1%)-などが続いた。 一方、「自宅で最期まで療養できるか」という質問に対し、「実現困難」と答えたのは58・4%で、前回(55・7%)より増
親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)が、熊本市の慈恵病院に開設されてまもなく10年になる。預けられたのは120人以上。子どもにとって最善の選択なのかという懸念も抱えつつ、望まない妊娠で孤立する母親たちが絶えないという現実を映している。 2007年5月10日に始まった「ゆりかご」は、預けられると看護師がすぐに駆け付け、子どもを保護する。病院は「命を救う最後の手段」と位置づけ、「まずは相談を」と呼びかけてきた。それでも当初から「安易な遺棄が増える」「子が親を知る権利を奪う」などの批判があった。 運用状況を検証する熊本市の専門部会によると、08年度に最多の25人が預けられたが、11年度以降は10人前後で推移した。16年3月末までに預けられた125人のうち、親との接触などで判明した預け入れの理由は「生活困窮」「未婚」が上位を占めた。想定していたのは新生児だ
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