高齢化がピークを迎える2040年ごろの自治体行政の課題を検討している総務省の「自治体戦略2040構想研究会」(総務大臣主催、座長=清家篤・慶應義塾大学事顧問)は3日、住民の生活上のニーズに民間の力も活用して対応するため、ソーシャルワーカー(SW)が組織的に仲介する機能が必要だとする報告書をまとめた。人口減に伴い公務員も減ると想定し、公的部門の機能転換を図る。総務省がソーシャルワーカーの活用に言及するのは異例。 研究会報告を踏まえて政府は5日、第32次地方制度調査会(首相の諮問機関、会長=市川晃・住友林業(株)取締役社長)を発足した。その諮問事項の一つが「公・共・私のベストミックス」で、ソーシャルワーカーの活用もそこに含まれる。 調査会は学識経験者18人、国会議員6人、地方6団体の代表者6人で構成。諮問事項の具体化を議論し、2年以内に答申する。行政改革の文脈でソーシャルワーカーが議論されるの
安倍晋三首相は15日、官邸で開いた西日本豪雨の非常災害対策本部会議で「一連の災害を激甚災害に指定する見込みとなった」と明言した。被災した自治体の道路や河川などの復旧事業に対する国庫補助率の引き上げや、中小企業支援の拡充などの措置を適用する。正式な決定の前にいち早く公表することで、被災地の迅速な復旧・復興作業を後押しする。 首相は「被災自治体が財政的に心配することなく、災害復旧に迅速に取り組み、被災者が一日も早く安心して暮らせる生活を取り戻すことができるよう全力を尽くす」と述べた。 激甚災害の指定はこれまで、被害の全容把握などで時間がかかるケースがあった。そこで政府は昨年12月に運用を見直し、対象範囲や適用措置などが確定していなくても、指定が確実な災害に関しては指定見込みを公表することを決めた。 今回は見直し後、「指定見込みを公表した初めてのケース」(菅義偉官房長官)となる。正式な閣議決定は
病院ごとの役割を明確化し、全体で病床数を減らす「地域医療構想」がなかなか進まない。政府は、医療費などの社会保障費が膨らみ、医療従事者の人手不足も懸念される2025年を医療の効率化で乗り切ろうとするが、「削減ありき」のため地域の反発も大きい。【酒井雅浩】 25年の必要数推計 「公立病院ですら地域の実情や政治に左右され、病床の再編は容易でない。将来の推計で余るからといって、民間病院に病床数削減の要請なんてできるのか」。ある自治体の担当者はため息をつく。 地域医療構想は、都道府県が高齢化率や患者の傾向を踏まえ、25年の医療需要や病床数を推計、その上で、複数の市町村からなる2次医療圏ごとに16年度中に策定した。だが、構想に基づいた病床数の削減など対応が決まっている医療機関は17年度末現在、全国1万4000カ所のうち117カ所で、1%にも満たない。
高齢化がピークを迎える2040年ごろに向け、地方自治体の運営を現行の市町村単位から、近隣の複数自治体による「圏域」単位へ移行することについて、菅義偉官房長官は4日の記者会見で「自治体の意見も聞きながら、時代に対応できる仕組みをしっかりつくっていく必要がある」と述べ、前向きに検討する考えを示した。 総務省の有識者研究会が3日、働き手世代が激減すれば市町村単位では職員を確保できず、行政サービスなどが維持できなくなるとして「圏域」導入に向けた仕組みづくりを求める報告書をまとめた。菅氏は「40年ごろも今のままでいいというわけにはいかない。総務省を中心に関係省庁が連携して対応策を議論していく必要がある」と強調。政府は5日から地方制度調査会で法改正を含めた議論を始める。
大阪市では、これまで各区役所において行ってきた被害の事実を証明する被災証明書の受付に加え、平成30年9月20日(木曜日)より、被害の程度を証明する被災証明書(災害対策基本法第90条の2に規定する「罹災証明書」と同様の証明書)についても受付を開始します。 台風21号の被害に伴う被災証明書の新規受付は令和元年10月31日(木曜日)をもって終了しました。 被災証明書とは、災害対策基本法第90条の2に規定されている災害による被害の程度を証明する罹災証明書のことで、自然災害で被害を受けた住家を所有する被災者からの申請に基づき、住家の被害認定調査を実施し、調査結果に応じた被災証明書を交付するものです。なお、被害の程度は「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」に分類されます。(調査の結果「被害なし」となる場合があります。) (注)大阪市では、災害(自然災害等)により被害を受けた家屋に対して、各区役所が
認可保育施設などに入れなかった今年4月時点の待機児童数を毎日新聞が調査したところ、政令市など全国87市区町村で1万1342人で、前年より33%減少した。各自治体による保育施設新設などの対策が需要の拡大に追いつき、待機児童の増加に歯止めがかかったとみられる。厚生労働省の調査では、全国の待機児童数は17年まで3年連続で増加しているが、今年は減少に転じる可能性がある。ただ、増加した自治体もあり、国が掲げる「2020年度末までに待機児童ゼロ」との目標達成は見通せていない。(3面にクローズアップ) 調査は5~6月、20政令市と東京23区、17年4月時点の待機児童が100人を超えていた44市町村を対象に実施し、全自治体が回答した。認可保育施設の定員はこの1年で5万9868人分(前年比7%)増え、98万4395人分になった。待機児童数は約7割の63自治体で減少。待機児童ゼロの自治体は昨年の9自治体から大
介護保険制度で、要支援向けの新方式の低報酬訪問・通所介護の利用率が低いことがわかった。より重度の要介護1、2まで低報酬訪問・通所介護に含める財務省案に、自治体から「無理だ」と批判が出ている。【斎藤義彦、稲田佳代】 昨年9月、東京都北区の通所介護「フィットネスデイもあ」が閉鎖された。北区が昨春導入した新方式の通所介護の報酬が低く「収入が3割減った」(関係者)ためだ。約150人の利用者は区が他施設に移した。元利用者の女性(86)は「なぜあんないい施設が閉鎖されるのか。設備も内容もよかったのにもったいない。理解できない」と不満を漏らす。「もあ」は2003年、要支援だけを対象に運動に特化し、機器を使い2時間でリハビリしていた。国が06年に要支援の介護予防を推奨した後、流行したリハビリだ。新方式の報酬は従来より約4割低く、直撃を受けた。「国の政策を他に先駆けて行ったのにはしごを外された」と関係者は嘆
今年4月時点の待機児童数について朝日新聞が調査したところ、前年比で3割減る一方、2019年10月から始まる幼児教育・保育の無償化で、今後「保育ニーズが増える」と答えた自治体が8割を超えることがわかった。実際、16年度から独自に無償化を先行させた兵庫県明石市では、待機児童が急増し、調査対象の自治体では全国最多に。今後、各地で問題が深刻化する可能性がある。 国の無償化を先取りした明石市だが、保護者の間には不満も残る。 「無償化しても、希望者全員が入れなくては不公平感が強まるだけ」。今年4月、長女(1)が待機児童になった同市の看護師の女性(41)は憤る。無償化で保育所に預けたい保護者が増えたが、保育所の整備が追いつかないからだ。 長女は認可園に落選。その後、必死に認可外の施設を探したが、ようやく見つけた園は保育料が希望していた認可園より高額になる。「働いても保育料がかさむ。無償化は負担増でしかな
事業内容の一部改善が必要だ―。14日に厚生労働省で開かれた行政事業レビューの公開プロセスで、地域包括ケアシステムの構築や認知症の人への支援などで自治体が活用する地域支援事業交付金について、外部の有識者は「事業ごとに適切なアウトカム目標等を設定する方向で検討をすべきである」などと注文を付けた。厚労省は、成果の目標や指標の設定を含めた改善策を検討する見通しだ。【新井哉】 ■認知症初期集中支援チームなどの運営費の補助も 有識者が取り上げた地域支援事業交付金は、地域包括ケアシステムの構築に向け、▽高齢者の社会参加▽介護予防に向けた取り組み▽配食・見守りなどの生活支援体制の整備▽在宅生活を支える医療と介護の連携▽認知症の人への支援―を推進し、高齢者を地域で支える介護予防・生活支援サービス体制の構築を図ることを目的としている。 2006年度から始めた事業で、高齢化の進展に伴って予算額は増加傾向で、18
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