カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法の成立を受け、誘致を目指す大阪府・市が独自のギャンブル依存症対策に乗り出している。国が立地区域を選定する際の重要な要素とみており、市民向けセミナーや高校での出前授業で依存症の予防・啓発を図る。同法はIRの設置申請に地元の同意を求めており、依存症患者の増加に対する市民の懸念を払拭する狙いもある。「人に言えない生きづらさを抱えている人は依存症になりやすい」。
カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法の成立を受け、誘致を目指す大阪府・市が独自のギャンブル依存症対策に乗り出している。国が立地区域を選定する際の重要な要素とみており、市民向けセミナーや高校での出前授業で依存症の予防・啓発を図る。同法はIRの設置申請に地元の同意を求めており、依存症患者の増加に対する市民の懸念を払拭する狙いもある。「人に言えない生きづらさを抱えている人は依存症になりやすい」。
日本には他の先進国と比べて突出して多くの精神病床があり、専門家は「病床削減が入院長期化の抑制になる」と指摘している。 厚生労働省によると、日本の精神病床は2016年10月時点で33万4258床。経済協力開発機構(OECD)のまとめによると、人口1000人当たり2.63床で、OECDの加盟36カ国で最多だ。各国で統計の取り方が異なっているものの、2番目に多いベルギー(1.37床)の2倍近くに達している。 今回明らかになった入院期間50年以上の1773人の大半は、1950年代後半から60年代中ごろ病院に入った患者だ。橋本明・愛知県立大教授(精神医療史)は「病院増加で『収容一辺倒』の時期に入った人が長期化している」と言う。戦前は病院不足の中、精神病者監護法(1900年施行)で患者を自宅に閉じ込める私宅監置が認められていたが、50年の同法廃止と精神衛生法の施行で私宅監置が禁じられ、その後に病床数は
厚生労働省は9日、労働安全衛生法に基づき定められている労働安全衛生規則の一部を改正する省令を公布、施行した。ストレスチェックの実施者に厚労相が定める研修を修了した公認心理師と歯科医師を追加した。【新井哉】 ストレスチェックの実施者については、▽医師▽保健師▽厚労相が定めた研修を修了した看護師、精神保健福祉士―に限られていた。厚労省は、公認心理師法の施行などを踏まえ、一定の要件の下でストレスチェックの実施者に加えることがで...
アルコールやギャンブルなどの依存症の専門医療機関の選定作業が進んでいる。国は都道府県・政令指定都市ごとに専門医療機関を設置することを求めており、すでに医療提供体制を整えた自治体もある。その一方で、医療機関の協力を得られず、選定が思うように進まない自治体もあり、依存症の医療提供体制をめぐっては都道府県間で格差が生じつつある。【新井哉】 ■体制整えた広島県、拠点機関がHPで情報発信も 2016年5月に閣議決定された「アルコール健康障害対策推進基本計画」では、アルコールの健康障害に関する予防から治療・相談まで「切れ目のない支援体制」の整備の必要性を挙げ、アルコール依存症の治療拠点となる専門医療機関の整備を求めていた。これを受け、厚生労働省は依存症対策総合支援事業の実施要綱を策定。現在、都道府県と政令指定都市で依存症の専門医療機関とその連携拠点となる拠点機関の選定作業が進められている。 実施要綱に
2020年度にグループホーム(GH)で暮らす障害者が障害者支援施設に入所する人の数を上回ることが6月27日、厚生労働省の集計で分かった。施設からGHなどへの地域移行を進め、入所者数を減らす政策により逆転する。一方、精神科病院の長期在院者数は、厚労省の掲げた目標ほどは減らないことが判明。厚労省は退院した精神障害者を応援する地域住民を増やす方法を模索し、退院が進む環境づくりを進める考えだ。 都道府県が策定した第5期障害福祉計画(18~20年度)の集計結果を、同日の社会保障審議会障害者部会(部会長=駒村康平・慶應義塾大教授)に報告した。計画には、厚労省が示した目標値を踏まえ、20年度までのサービス利用見込みが盛り込まれている。 それによると、施設入所者は18年度の13万583人が20年度は3%減の12万7399人になる。GHは18年度の入居者数12万2114人が、20年度は11%増の13万601
東京都は29日までに、自殺総合対策計画を策定し、公表した。国が2017年に自殺総合対策大綱を改正したことなどを踏まえたもので、計画期間は18年度から22年度までの5年間。救急医療機関に搬送された自殺未遂者を精神科医療につなぐ相談調整窓口を設置し、支援体制を強化する方向性を明記した。また、産後うつを予防するため、出産後間もない妊婦への健康診査を行う区市町村の取り組みを支援する。【新井哉】 精神疾患を併せ持った救急患者の搬送をめぐっては、ケースによっては精神科医による対応が必要になるため、患者の受け入れが可能な医療機関を探すのに時間がかかっているのが実情だ。 特に精神科のない救急告示医療機関に患者が...
全国各地に4209棟ある精神科の閉鎖病棟のうち、139棟には厚生労働省が設置を求めている公衆電話がないことがわかった。厚労省は「患者が自由に電話できる環境であることは重要で、100%の設置を目指して指導していきたい」と話している。 精神保健福祉法に基づく厚労省の告示は、「電話機は、患者が自由に利用できるような場所に設置される必要があり、閉鎖病棟内にも公衆電話等を設置するものとする」と定めている。患者の人権や憲法で定める「通信の自由」を保障する意味合いがあるという。 厚労省は、精神保健にかかわる調査を毎年6月30日付で実施。今春に公表された2017年の調査結果によると、終日閉鎖されたままの病棟は4209棟あり、うち139棟に電話が設置されていなかった。閉鎖病棟が3763棟だった07年の調査では、128棟で設置されていなかった。13年に設置されていない病棟は48棟まで減ったが、その後再び増えて
日本精神科病院協会(日精協)は8日、2019年度予算の概算要求に関する要望書を厚生労働省に提出した。医療観察法における通院医療費の大幅な増額や、院内での医療安全対策にかかわる補助金の付与などを求めている。【松村秀士】 要望書では、精神科医療は入院中心から外来治療中心に移行しており、医療観察法に基づく治療でも同様の「視点」が重要だと主張している。また、指定通院医療機関が提供する医療については、対象患者の地域生活の問題に対応するため...
カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を目指す大阪府・市は30日までに、専門家らでつくる「ギャンブル等依存症対策研究会」の初会合を開いた。自治体独自の対策を検討するため、府内の依存症の実態調査を行うことを決めた。医師や大学教授ら専門
精神疾患や生活苦が背景に 万引きを繰り返す高齢者やその家族向けの全国初の電話相談を、東京都が6月4日から約1カ月間、実施する。多発する高齢者の万引きは社会問題になっており、背景には精神疾患や生活苦が指摘されている。都はこうした高齢者に福祉事務所や専門の医療機関を紹介し、抱えている問題を解決して万引きの再発防止にもつなげる考えだ。 警察庁の統計によると、2016年に万引きで検挙された65歳以上の高齢者は2万6936人。同年の刑法犯検挙者数全体の12%を占めた。
ほかの人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙による妊婦や子どもの健康被害を防ごうと、千葉市は6月から、妊婦や子どもと同居する人を対象に、禁煙治療を受ける際の費用の一部を助成する制度を始める。市によると、禁煙にかかる治療費の助成は県内の自治体では初めてという。 市健康支援課によると、助成の対象は、妊婦や15歳以下の子どもと同居する市民で、12週間にわたり計5回の禁煙外来治療を終えて自己負担額を支払った人。治療にかかる費用の2分の1について、1万円を上限に助成する。禁煙外来治療は一般的に5回の受診が目安で、自己負担割合が3割の人の負担額は、貼り薬や飲み薬を含めて通常約1万3千~2万円だという。 日本禁煙学会によると、千葉市内では約100の医療機関が禁煙外来治療を実施している。熊谷俊人市長は今月10日の定例記者会見で「いつか(たばこを)やめようと思っている人は多い。制度が禁煙実現のきっかけになれば」
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