障害のある長男(42)を檻(おり)に閉じ込めたとして、兵庫県三田市の無職山崎喜胤(よしたね)容疑者(73)が監禁容疑で逮捕された事件で、長男が1月に保護された際、片目を失明しており、もう一方の目もほぼ見えない状態だったことが捜査関係者への取材でわかった。県警は長男が檻での生活を20年以上強いられていたとみており、失明の経緯も捜査する。 一方、三田市は9日、高見智也健康福祉部長らが会見し、事件発覚の経緯や市の対応状況を説明した。 市によると、山崎容疑者は20年以上前、長男について複数回、市に相談していた。長男は障害者手帳を持っていたが、市の福祉サービスを利用したことはなかったという。 市は今年1月16日、福祉関係者からの連絡で「行動を制限されている障害者がいる」と把握。山崎容疑者と連絡をとり、障害福祉課の職員らが2日後の18日に自宅を訪ね、檻にいる長男を初めて確認したという。 市はこの時点で
兵庫県三田市の40代男性が、自宅敷地内に置かれた木製のおりで生活させられていた疑いがあることが7日、捜査関係者への取材で分かった。70代の父親は、男性に精神疾患があり暴れるため、16歳ごろからおりに入れていたと説明しているという。県警は2月に現場を家宅捜索し、監禁容疑で慎重に
在職中にうつ病を発症し、27歳で自ら命を絶った北九州市元嘱託職員の両親が29日、うつ病は業務が原因と考えられ、公務災害(労災)にあたるとして遺族への補償などを市に求める訴えを福岡地裁に起こした。常勤職員なら認められる労災補償の請求権を非常勤には認めていない同市の条例により、違法に請求を阻まれたと主張している。 訴状によると、市内の区役所で子ども・家庭問題の相談員をしていた森下佳奈さんは、採用約9カ月後の2013年1月、心身の不調を訴えて休職。うつ病と診断された。2カ月後に退職しても改善せず、15年5月、自ら命を絶った。 両親は、残されたメールなどから「上司のパワハラが日常化し、業務内容も過重で支援が不十分だった」として、市に労災認定請求の手続きを照会した。市は、非常勤職員の労災補償に関する市の条例を引き、労災認定は市の指定部門が担うものの、「職員本人や遺族には認定を申し立てる権利はない」と
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が刺殺されるなどした事件は、26日で発生から1年を迎えた。これに先立ち、殺人罪などで起訴された元職員の植松聖(さとし)被告(27)が産経新聞の取材に手紙で応じ、「意思の疎通が取れない人は安楽死させるべきだ」などと障害者に対する差別意識を一方的に正当化した。遺族らへの謝罪は一切なかった。 産経新聞は6月下旬、横浜拘置支所(横浜市港南区)に収監されている植松被告へ質問状を送付。今月12日、便箋5枚にわたる約2千字の手書きの手紙が返送されてきた。 植松被告は手紙の冒頭、「私は意思疎通がとれない人間を安楽死させるべきだと考えております」と独自の主張を展開。「世界には“理性と良心”とを授けられていない人間がいます」などとし、「人の心を失っている人間」を「心失者」と呼んでいることを明らかにした。「シンシツシャ」とふりがなが振られており、障害者を指し
災害や事故の現場で消防隊員や団員が受ける精神的なショック「惨事ストレス」を軽減するため、総務省消防庁が2003年に専門家の派遣制度を始めて以降、ケアの受診者は17年4月1日時点で延べ2776人に上ったことが15日、分かった。消防庁は積極的な利用を呼び掛けており、態勢を充実させていく方針だ。惨事ストレスは、多数の死傷者が出た現場や同僚の殉職に直面したショックで不眠や無気力、うつといった症状が出る
「みる・きく・はなす」はいま ゆがむ事実 障害者46人が殺傷された相模原事件。人の命に優劣をつける考え方が事件の背景にあると指摘された。ところが、政府は再発防止策として、むしろ精神障害者の「監視」を強めるような法改正案をまとめた。障害がある人たちは「むしろ偏見を助長する」と批判する。 3月。たにぐちまゆ(44)は大阪・梅田の映画館で、楽しみにしていたアニメを友人と見た。統合失調症の精神障害があり、障害者手帳を窓口で見せれば、割引が受けられる。でも、あの日から手帳を見せられなくなった。 「こわいと思われるんじゃないかって」 昨年7月26日。相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺された。逮捕、起訴された植松聖(さとし)被告(27)は「障害者は生きていてもしかたがない」と語り、パーソナリティー障害と診断された。事件後、ネット上には「精神障害者はみんな病院に入れておけばいい」と
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