<くらしナビ ライフスタイル> ●リハビリを偏重 「子供たちから元気をもらっている」と女性(80)は話す。松山市のデイサービスセンター「梅本の里・小梅」。職員の託児所を併設し、8人の子供が毎朝、元気に利用者にあいさつしたり、駆け回って遊んだりしている。重度の認知症の女性(75)はいつも不安そうだが、小梅では「片付けないかんよー」と言いながら散らかったおもちゃを整理し、子供を笑顔で見守る。保育士は「助かってます」と感謝する。入り口には利用者が運営する駄菓子屋もあり、学校帰りの子供が立ち寄り、宿題もやる。多世代が集う「ごちゃまぜ福祉」だ。利用者は配膳の手伝いなど役割を見つけ思い思いに過ごす。「一人一人が愛され、その人らしい生活を送ってもらいたい」と野中康志施設長は話す。 人気施設だが、報酬の実質引き下げに直面しそうだ。
全国13カ所の国立ハンセン病療養所の多くで、入所者自治会が高齢化で運営が困難になっている。毎日新聞のアンケートに対し、2カ所は既に自力運営できず、少なくとも7カ所がおおむね5年以内に運営できなくなると回答した。入所者の平均年齢は85歳を超し、入所者数がピーク時の1割以下の療養所もある。元患者らの権利獲得、外部との交流など幅広い役割を担ってきた自治会の機能低下は深刻で、支援が急務だ。【岩崎邦宏】 自治会は入所者による任意団体。長年の強制隔離政策の下で国を相手に処遇改善に取り組み、国家賠償訴訟を進めるなど元患者の人権を守る役割を果たした。近年は見学者の受け入れ、語り部活動など教育・啓発も担っている。
厚生労働省は17日、終末期医療の指針の改定案を有識者検討会に示した。自宅などでのみとりを望む人の増加を踏まえ、医療機関だけでなく在宅や介護施設での対応にも広げる。本人の意思確認の際には繰り返し話し合うよう促してもいる。2007年の策定以来初の改定で、今年度内に決定する。 病気や老衰など回復の見込めない終末期に、人工呼吸器の装着や心臓マッサージなどの延命措置を行うかどうかは患者の意思の尊重が大前提となる。厚労省指針は医療機関での利用を想定し、あらかじめ患者が意思決定するための手続きを定めている。 しかし、策定から10年が経過。年間の死亡者数が130万人を超える「多死社会」を迎えつつある。病院ではなく自宅など住み慣れた場所で最期を迎えたいと望む人も増えており、在宅や介護施設でも対応できるよう拡充する。
特別養護老人ホーム(特養)の優先入所枠を補助金を支払って確保する事例が、複数の自治体で行われていることが、朝日新聞の取材でわかった。「ベッド買い」と呼ばれ、住んでいる地域や所得などに関わらず、平等に福祉サービスを受けられる介護保険制度の趣旨に反している可能性が高い。厚生労働省は実態を把握するための検討を始めた。 ベッド買いは、自治体が他の自治体にある特養を運営する社会福祉法人と協定を結び、補助金を支払う見返りに、自らの住民が優先的に入所できる枠を確保する仕組み。全国の都道府県で特養の入所待機者が最も多い東京都内の23区と近接5市に取材したところ、8割以上の23区市がこうした協定を結び、計3328の入所枠を持っていた。協定の多くは介護保険制度が始まった2000年よりも前に結ばれたものだが、いまも有効だ。東京以外でも行われている可能性がある。 特養などの介護保険施設は、市区町村が3年ごとに住民
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高齢者や障がい者をサポートするという倫理的な営みと、「福祉をビジネスとして成功させる」という野望は、決して矛盾しない。いや、むしろ、そのふたつの思いが交差するところにこそ、日本社会における福祉の未来はある──。 要介護者など高齢者の付添い介護付き旅行事業を展開するNPO法人しゃらく代表理事・小倉譲さんの話を聞いていると、そう確信させられる。 思うように体が動かせず、徐々に心が閉じていってしまう、介護が必要な高齢者や障がい者の人々に、驚くほどのエネルギッシュさで、彼は「旅」を提供し、彼らが人生の豊かさを取り戻すサポートをしている。 「やり手のビジネスパーソン」ともいうべき手腕を発揮しながら、福祉業界を新たなフェイズに移行させようとしているパイオニアの話は、どこまでも熱を帯びている。 NPO法人しゃらく代表理事・小倉譲 ──要介護者を中心にした高齢者の付添い介護付き旅行を中心事業に、オーダーメ
お金の問題となると自分たちだけでも頭が痛いのに、年老いた親のことを考えると心配は募るばかり。特に、高齢者をねらった詐欺や悪徳セールスにだまされてほしくないと思っている人に、朗報が! 【法律の改正でお年寄りへの強引なセールスが減る?】 判断力が鈍ったお年寄りに大量の商品を買わせたり、必要以上に過剰な契約を結ばせるといった被害に対応するよう法律が変わりました。6月から施行された改正消費者契約法により、購入した量が多すぎると判断された契約について消費者が取り消すことができるようになったのです。この背景には、65歳以上の消費生活相談件数が近年大きく増えている状況が。高齢者の人口の伸び以上に被害が増えているというのは深刻ですね。 また、事実ではないのに「タイヤの溝がすり減っていてこのまま走ると危ない、タイヤ交換が必要」といわれて購入した場合なども、「不実告知があった」として取り消すことが可能になりま
老人ホームへの入居を巡り、高齢女性から現金7800万円をだまし取ったとして、警視庁組織犯罪対策総務課は7日までに、詐欺の疑いで、埼玉県熊谷市曙町、無職、堀井大輝容疑者(27)ら男6人を逮捕した。詐取した金の一部は暴力団に流れたとみて、調べている。 組対総務課によると、老人ホームへの入居を持ち掛ける手口の詐欺は全国で数十件確認され、被害額は約3億5千万円に上る。 6人の逮捕容疑は6月下旬、埼玉県に住む不動産会社役員の女性(66)に「老人ホームへの入居権があるなら使用させてください」などと電話。女性が承諾すると、別人を装い「名義貸しは犯罪だ。このままでは全財産が没収されるが、金を振り込めば大丈夫だ」などとだまし、現金7800万円を詐取した疑い。 堀井容疑者らは、女性の預金額をあらかじめ聞き出し、十数回にわたって引き出させ、現金をバイク便などで受け取っていた。6人は、高齢者らに電話をするかけ子役
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