2011年の東京電力福島第一原発事故後に福島県から横浜市に避難した男子生徒(13)が、転校先の市立小学校でいじめを受けていた問題で、いじめ防止対策推進法で「重大事態」にあたる金銭被害の疑いなどを学校が把握したにもかかわらず、学校と市教育委員会が、事態を認定するための「協議」をしていなかったことが、市教委などへの取材でわかった。 文部科学省は同法の趣旨に反する経緯を問題視しており、市教委は内部調査を始める。 市教委などによると、生徒が不登校になったのは小学5年生だった14年5月。生徒は「(東電から)賠償金をもらっているだろう」などと言われ、ゲームセンター代などを負担し続けていた。学校は6月、親からの相談で支払いが100万円を超える可能性を認識したが、校内会議では「いじめではなく非行かもしれない」といった議論に終始し、重大事態の認定については協議しなかったという。