弱視などの、視覚に障害がある子どもでも読みやすい教材をと、文字や図表を拡大した教科書を作っている。会の名前にある「エンラジスター」は「~を大きくする」という意味の英単語に由来する。 会が作った拡大教科書を見ると、通常の教科書で半ページほどの図表が、見開きで展開されていた。「薄い色の文字が分からない」「行間が詰まっていると読みにくい」など、何が見えにくいのかは人によって異なる。本人や学校の先生と相談を重ねて、単に字を大きくするだけではなく、文字や線の色使い、レイアウトにも気を配る。 2006年、山口県下松市に誕生した。これまでに約40冊の教科書の拡大を手がけてきた。文部科学省から依頼を受け、教科書会社から送られてきたデータを元に作業に取りかかる。1冊の教科書の編集には5カ月ほどかかるといい、8人の会員で手分けして作業を進める。 「先生の中にも『拡大教科書…
聴覚障害者が人の孤独を救う!?「サイレントボイス」 尾中友哉さんが夢見る社会とは 2018.04.05 マイプロSHOWCASE関西編 with 大阪ガスネットワーク マイプロSHOWCASE関西編 with 大阪ガスネットワーク ヘメンディンガー綾 ヘメンディンガー綾 同じ空間にいるのに、居合わせた人が別々のスマートフォンを見つめる光景。電車の中やカフェで、あるいは家庭内で目にしたことありませんか? 現代はかつてないほど個人が言葉を綴り、世に発信しています。もしも、それが人々の孤独の反動だとしたら、現代人はかつてないほど孤独を感じているとも言えます。 「聴覚障害者は聞こえない分、最も孤独を感じやすい存在です。でも、だからこそ孤独を乗り越える方法も知っている。彼らの世界が持つ可能性が社会に出たら面白いなと思うんです」。 NPO法人および株式会社「サイレントボイス」の尾中友哉さんはそう言いま
埼玉県立大宮ろう学園(さいたま市北区、伊藤えつ子校長)幼稚部で、事前の説明が不十分なまま手話をめぐる教育方針を大幅変更し、保護者らが県教育局に抗議するなど不信感が広がっていることがわかった。保護者らは新年度からの環境改善を求めている。 学園は幼稚部から高等部まであり、ろうや難聴の子ども約180人が通う。幼稚部(3年間)は計25人が在籍する。 これまで幼稚部は教員が9人おり、ろう者の間で自然に受け継がれてきた、日本語とは違う言語体系を持つ「日本手話」で園児に主に接してきた。 それが今年度、日本手話を使える全教員を含む7人を異動や配置換えさせ、教員10人が着任。10人の大半はろうの幼児教育の経験が乏しく、手話も日本語の単語と手の動きを1対1で対応させた「日本語対応手話」を使うため、保護者によると、日本手話でやり取りをしてきた園児と、新しい教員の間で意思疎通が困難になった。 登校を嫌がる、体調が
丸山正樹さん 手話でろう者と聴者をつなぐ「手話通訳士・荒井尚人」を主人公にした小説『デフ・ヴォイス』(文春文庫)でデビューした丸山正樹さん。このたび続篇『龍の耳を君に』(東京創元社)を上梓した。 「前作は手話のことは何も知らず、本で調べたことだけで書きましたが、ろう者の方々から強い支持をいただきました。続篇希望の声もあり、緘黙症(かんもくしょう/言語能力はあるのに話すことができない症状)の人が手話で話したらどうだろう、というアイデアがずっと頭にありまして、今回一気に書き上げました」 発達障害「自閉症スペクトラム」であり、場面緘黙を併発している少年が物語の軸だ。 「意図的に“マイノリティーを代弁”しているつもりはないのです。ただ、私自身、50歳目前でやっとデビュー出来ましたが、その後も作品が何度もボツになった。私生活でも家族の介護を長年続けていて、息切れすることがあります。どこかに、“世間”
「障害者・高齢者3Dプリンタ・ファクトリー」製作始める 日常の不便さを改善するグッズを自分で作ろう--。障害者らでつくる一般社団法人「障害者・高齢者3Dプリンタ・ファクトリー」(高松市)が、3Dプリンターを使ってハンディキャップのある人の暮らしを助ける補助器具の製作を始めた。将来は障害者の収入にもつなげたいと考える代表の三野(さんの)晃一さん(60)は「障害者が100人いれば100人が異なる不便さを抱える。ちょっとしたアイデアで、バリアー(障害)をバリュー(価値)に変えていきたい」と話す。 三野さんは2014年から、当時勤めていた障害者就労支援事業所でクラウドファンディングを使い資金を集め、地元の養護学校で出た要望などを基にプラスチック樹脂でグッズ製作を始めたという。その後、昨年10月、障害を持つ仲間を中心に約10人でファクトリーを設立した。
全教育課程で使用可に=デジタル教科書、障害児ら-文科省 文部科学省は20日、タブレット端末などを活用した「デジタル教科書」に関し、視覚障害などで通常の学習が困難な小中高校生は、教育課程の全てで使用できるようにする方針を固めた。22日召集の通常国会に、学校教育法など関連法の改正案を提出。2019年4月の施行を目指す。 〔写真特集〕教科書で見たかも~アノ人コノ人、覚えてる?~ 文科省は、紙の教科書と同一の内容をデジタル化したデジタル教科書を、次期学習指導要領の全面実施が始まる20年度に本格導入する方針。現行法では、小中高校では紙の教科書を使わなければならないが、法改正でデジタルとの併用を認める。 さらに、視覚障害や発達障害などで通常の紙の教科書を使った学習が困難な児童生徒で、文字の拡大や音声の読み上げなどの機能によって負担を軽減させる必要がある場合は、紙の教科書を併用しながら、教育課程の全てで
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