「子どもには人権がある」。当然のように言われているが、私たち大人はどこまでそれを本当に理解し、実現できているだろうか。憲法学者、木村草太さんが、子どもたちが抱える問題と日々向き合う現場のアクティビストたちと共に2月8日、『子どもの人権をまもるために』(晶文社)を刊行した。家庭における虐待や貧困、学校における指導死…。漠然と守られていると思っていた「子どもの人権」が危機にさらされていることが語られる。 もちろん、憲法や法律、条例など子どもの人権を守るための枠組みは存在する。しかし、現場でそうした対応を行うことは「必ずしも簡単ではない」と木村さんは指摘する。たとえば、近年社会問題となっている組体操。高さ3、4mにも及ぶ人間タワーが作られ、年間5000人以上の子どもが負傷している上、過去には死者も出ているが、教育の名の下に断行される。大人が高さ2m以上で作業する際には、手すりや命綱安全ネットなど