全国どこでも標準的ながん治療を受けられる体制を目指した「がん対策基本法」の施行から4月で10年を迎える。法制化を機に拠点病院や相談支援窓口は整備されたが、苦痛を和らげる緩和ケアなど道半ばの取り組みもある。昨年末には、闘病しながらの就労といったこの間に浮上した課題を見据えた改正法が成立。「国民病」を取り巻く医療の充実へ努力が続く。「要件を満たしていない疑いがある。拠点病院制度への信頼を損ねる恐れ
一向に待機児童問題は解消せず、「無力感に押しつぶされそうになる」一方で、「なぜ、この深刻さが伝わらないのだろう?」と、漫画で訴えようと考えたという。
入学を前にランドセルを背負う前田結大君=横浜市内で2017年2月16日午後3時47分、宇多川はるか撮影 気管を切開し、たんの吸引が必要な横浜市の幼稚園児、前田結大(ゆうだい)君(6)が今年4月、地域の小学校に親の付き添いなしで通学できることになった。結大君親子の要望を受け、横浜市が公立小学校に通う医療的な介助が必要な児童(医療的ケア児)のための看護師配置を、初めて決めた。 結大君は声帯まひで気道が狭まる「気道狭さく」の状態で生まれ、生後すぐに気管切開した。以後、喉に取り付けた管からたんを吸引する医療的ケアが欠かせない。 たんの吸引以外に障壁はなく、兄や友達が通う地域の小学校への入学を望んだが、市は「親が付き添うか、特別支援学校に入学するか」という選択肢を提示。母直美さん(43)ら家族は「付き添いなしで、のびのびと学校生活を送ってほしい」と願い、約2年前から看護師の配置を求めてきた。
育園増やし隊@武蔵野の交流会に集まった待機児童を抱える保護者たち=東京都武蔵野市で2017年2月5日、中村かさね撮影 今年4月入所を目指した認可保育所の選考結果通知が全国で2月から本格化し、落選ラッシュで親たちが悲鳴を上げている。ソーシャルメディア上には「このままでは共倒れ」「ショック過ぎる」と悲痛な声が全国から寄せられている。昨年、認可保育所を落選した母親が「保育園落ちた。日本死ね!」とブログに書いて注目されて間もなく1年。親たちの声を集める動きは今年も始まっており、怒りは大きなうねりとなりそうだ。【中村かさね】 「こんなはずじゃなかった」「引っ越しも考えている」--。5日、東京都武蔵野市内で開かれた市民団体「保育園増やし隊@武蔵野」の交流会では乳児を抱いた父母ら60人以上が集まり窮状を訴えた。市内では昨年9月、0~5歳児の計81人の受け入れを予定していた私立認可保育所が、近隣住民の建設
「看護師さえいれば保育園で社会生活を送ることができる。そのエビデンス(根拠)を作るため『捨て石』になるつもりでやっている」 自民党の野田聖子・元総務会長は朝日新聞のインタビューにこう語る。 不妊治療の後、卵子提供を受けて2011年1月に50歳で出産。生まれた長男は心臓などに複数の病気があり、病院のNICU(新生児集中治療室)に入った。退院したのは2歳3カ月のとき。気管切開し、胃ろうがある医療的ケア児を預かる保育園や幼稚園は見つからなかった。 野田氏は当時、総務会長を務めていた。「共働きの夫婦で障害を持った子を育てられるかを確認するつもりでやってみたが、結論から言うと、できない。夫が仕事をあきらめました」 医療的ケア児も預かる障害児向けの保育園「ヘレン」が東京都杉並区に開設されたのは14年9月。ようやく保育園に通えるようになった。 医療的ケア児の支援に取り組む超党派の勉強会「永田町子ども未来
Webライターの木下です。 第5回は重症心身障害児・者施設の歴史についてです。 制度の谷間にいた重症心身障害児 1947年(昭和22)の「児童福祉法」によって「精神薄弱児施設」が急速に全国に設置され、その後1960年(昭和35)に制定された「精神薄弱者福祉法」により「精神薄弱者援護施設」の設置が始まり、児童も成人も含めて知的障害者の福祉施策は、徐々に整っていきました。しかし、重度の重複障害児は、つねにその処遇が後回しにされていました。 重度の重複障害児を表すのに、「重症心身障害児(重症児)」という言葉が使用されるようになったのは1958年(昭和33)からです。戦後まもなくは、その概念さえもなく、重度の肢体不自由と精神薄弱の両方がある重症児は、公教育からは排除され、医師からは治療は無意味とされました。さらに、肢体不自由児施設からは精神薄弱があるからと拒否され、精神薄弱児施設からは肢体不自由が
【1】もう一度、「大人の貧困」の話をしよう! 稲葉剛 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授 現代の日本社会は、貧困の拡大に歯止めがかからない状況に陥っている。 国民生活基礎調査によると、2012年段階での相対的貧困率は、全体で16.1%、子どもの貧困率は16.3%まで上昇している。特に深刻なのは、母子家庭など、大人が一人の「子どもがいる現役世帯」で、この層では54.6%が相対的貧困状態にある。 相対的貧困率とは、OECDの貧困統計で用いられている指標であり、一人あたりの可処分所得の中央値の50%(このラインを貧困線と呼ぶ)を下回る所得しか得ていない者の割合を示している。2012年の国民生活基礎調査の貧困線は122万円なので、大雑把に言うと、国民の6人に1人は、「1人あたり月10万円程度しか家計に使えない」状態にあると言える。 非正規労働者の増加で相対的貧困率は上昇 1985年に
神奈川県は、待機児童の解消に向けて、全国で年に2回行われている保育士の試験を独自に3回に増やす検討を始め、政府が定める地域を限って規制改革などを行う「国家戦略特区」のメニューに盛り込まれるよう働きかけを強めることにしています。 このため、神奈川県は、春と秋の年2回、全国で共通の問題や実技試験で行われている保育士試験について、県独自の試験を夏に実施し、3回に増やす検討を始めました。 通常は筆記と実技の両方に合格しなければいけませんが、県独自の試験は筆記のみで、合格者は実技の講習会に参加すれば保育士資格を得られます。 その一方で、地域の保育士を確保するため、独自試験の合格者は3年間、神奈川県内での勤務を義務づける方向で検討を進めているということです。 独自の試験を行うには、政府が定める「国家戦略特区」のメニューに盛り込まれることが必要で、県は国への働きかけを強めることにしています。 神奈川県次
相次ぐ児童虐待を受け、大阪府警は来年4月に、都道府県のわくを超えて所在不明の子どもを追跡し、安否を確かめる専門部署「児童虐待対策室」を設ける方針を決めた。捜査関係者が明らかにした。トップに警視の専属所属長を据える。警察庁は都道府県警のこうした部署を「ほかに把握していない」としており、全国初とみられる。児童相談所(児相)や自治体と連携し、事件を未然に防ぐ。 対策室は生活安全部少年課に設置。計15人程度の組織となる見通しだ。大阪府内では11月、行政側が3年前から所在を確認できていなかった梶本樹李(たつき)ちゃん(死亡当時3)=堺市北区に住民票=の遺体が山中で発見される事件が起きた。府警が死体遺棄などの疑いで逮捕した父母は様々な理由で、樹李ちゃんの健康診断の受診を拒んでいた。 これまでは健康診断を受けずに転居するなど、理由がわからないまま子の所在が長期間確認できない場合、多くは転居先の警察に情報
大阪市の吉村洋文市長は19日、保育所待機児童の解消を目的として、市役所と全24区役所に保育所の設置を目指す方針を明らかにした。2018年4月の開設が目標で、役所内のスペースを民間事業者に貸し付けることを想定。来年秋までに事業者の選定を終えたい考えだ。政令市の全区役所に保育所を設ける取り組みは、極めて異例という。 19日あった待機児童対策の会議で公表された。市こども青少年局によると、0~5歳向けの認可保育所か、0~2歳が対象の小規模保育事業所の開設を検討。各区長に対し、今年度中に施設改修の必要性などを調査するよう求め、来年夏までに事業者の公募に入る。
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ 生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 毎日の
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