妊婦の血液から胎児のダウン症などを調べる新出生前診断を受けた妊婦は、検査開始からの4年間で4万4645人だったことが16日、全国の医療機関でつくる研究チームの集計で分かった。受診者は毎年、増え続けており、研究チームは高齢出産の増加などが増加の背景にあるとみている。研究チームによると、4年目の受診者は約1万4千人で前年に比べ、約1000人増えた。染色体異常の疑いがある「陽性」と判定されたのは4
【ワシントン山本太一】深刻な難病で生命維持装置をつけている英国のチャーリー・ガード君(生後11カ月)の治療を続けるかどうかに世界の注目が集まっている。回復見込みがないとして地元の病院は安楽死を提案したが、両親は拒否し、米国で治療を継続することを模索。3~4日、トランプ米大統領やバチカンが両親への支援を表明したことで、さらに関心が高まっている。 英メディアなどによると、チャーリー君はロンドン在住のクリス・ガードさん(32)、コニー・イエーツさん(31)夫妻の長男として2016年8月に誕生。まもなく先天性の「ミトコンドリアDNA枯渇症候群」と診断された。細胞が正常に機能しないため内臓や筋肉の形成が難しく、脳にも深刻な損傷を負っているという。
脳腫瘍が悪化して再入院し、病室で母・淳子さん(左端)に抱かれる佐々木優心ちゃん(中央)。優心ちゃんを励ますようにヨギが寄り添っている=静岡市葵区の静岡県立こども病院で5月 静岡市葵区の静岡県立こども病院に、病気と闘う子どもたちに寄り添う1匹の犬がいる。「ファシリティードッグ」と呼ばれる、ゴールデンレトリバーのヨギ(雄、6歳)。子どもたちに力を与えている大切な存在だ。 脳腫瘍を患い、1年以上ヨギと入院生活を共にした佐々木優心(ゆうしん)ちゃん(3)。5月上旬、ベッドの上でヨギを見つめ、そっと頭をなでた。6月7日、優心ちゃんは短い生涯を終えた。それでも母の淳子さん(31)は「優心はヨギにたくさんの力をもらいました」と感謝する。 食欲がなくても、おやつを食べるヨギを見て食事に手を伸ばし、放射線治療の時は嫌な顔一つせず一緒に治療室へ向かった。亡くなる直前も病室に来ると表情が和らいだといい、最期の時
小児がんや免疫不全の治療に必要な「無菌室」を増設するため、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)は5日、クラウドファンディング(CF)で資金の募集を始めた。9月8日までに1500万円を目標にしている。 CF最大手のサイト「レディーフォー」のプラットフォームを使う。プロジェクト名は「小児がんと戦う、みんなの願い。不足する無菌室をつくろう!」(https://readyfor.jp/projects/ncchd-clean-room)。 「無菌室」は、治療による免疫力低下による感染リスクを下げるために使われる。個人差があるが、1カ月ほど過ごす。利用は、小児がんの3分の1を占める白血病のほか、神経芽腫、骨髄不全、免疫不全にも使われる。4畳半ほどの広さに、テレビ、トイレ、簡易シャワーがあり、窓越しに家族が様子をうかがえる。 同センターでの造血幹細胞移…
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の啓発と研究支援を呼びかけた「アイス・バケツ・チャレンジ」の発案メンバーで自身もALSを発症している米国人ピート・フレーツさんが、膨大な医療費が負担となり経済的に苦しい状況に陥っているとする報道が、CNNやFOXニュースなど米メディアで相次いでいる。 世界中の著名人や政治家まで巻き込む社会運動ともなったアイス・バケツ・チャレンジで集まった寄付金は数億ドルに上るとも言われていたが、その発案者がなぜ医療費で苦しんでいるのだろうか。 月の負担額は1000万円以上に ALSは神経が徐々に死滅することで筋肉の委縮や筋力低下が起きる病気で、日本では難病に認定されている。ゆっくりと進行していき、発症から数年で自発呼吸ができなくなるが人工呼吸器を装着することで延命ができるものの、有効な治療法や治療薬はない。 アイス・バケツ・チャレンジは2014年にスタート。ALSの認知度を
ニュースや情報番組に出演していた元NHKアナウンサー、内多勝康さん(54)は変わらぬ柔和な表情を見せていた。視線の先はカメラではなく、病児とその家族だ。医療型短期入所施設「もみじの家」(東京・世田谷)の朝の会。自力で体を動かすことが難しい子供たちの手足をスタッフがマッサージする。内多さんも「力が入ってきた。よしよし」と子供の手を優しく握る。もみじの家は、重い病気の子供と家族を支える施設として
若い時にがんを発症した「AYA(アヤ)世代」と呼ばれる患者への対策が課題になっている。がん患者全体に占める割合は小さいが、希少がんを含めがんの種類は多い。進学や就職、結婚、出産など人生の節目に直面し、ほかの世代とは違った悩みを抱えている。 治療・相談の充実、国が議論 東京都内に住む齊藤太樹さん(32)は9年前、足に点状の内出血があるのに気付いた。11歳で慢性骨髄性白血病にかかったが、骨髄移植を受け、症状は落ち着いていた。看護師になり1年ほどで仕事がひと通りできるようになったと思った矢先に、働いていた病院で検査を受け、今度は急性リンパ性白血病と判明した。 「5年生存率も知っていた。半分の確率で死ぬと覚悟した」。一方で、入院中に見舞いに来た看護師の友人の話に「自分がベッドで寝ている間も仕事しているんだ」と孤独さを感じた。 臍帯血(さいたいけつ)移植を受けて1年後に復職。「一からやり直しか」と再
週末、柔らかな光が差し込む開放的なフロアに、親子連れが次々と訪れる。この日はお祭り。「いっぱい遊ぼうね」。スタッフが話しかけると、女の子が車いすの上で小さくうなずいた。家族5人で訪れた藤林真生さん(39)は「あったかい気持ちになりますね」とほほえんだ。 ここは病院でも、福祉施設でもない。今年4月、大阪市鶴見区に誕生した「TSURUMI こどもホスピス」。小児がんや心疾患など、生命を脅かす病気を持つ子とその家族が不安や孤独を和らげ、くつろげる「第2のわが家」だ。 保育士や看護師などの専門スタッフに加え、地域のボランティアが運営を担う。定期的に施設を一般開放し、地域に開かれた「コミュニティー型こどもホスピス」を目指す。一般社団法人「こどものホスピスプロジェクト」の高場秀樹理事長は、「穏やかで豊かな時間を、地域の人たちと一緒に作っていきたい」と話す。寄付やボランティア登録の詳細はホームページ(h
異国の地で、生まれたわが子が難病にかかっていると知った。この子とどう、長い時間を歩めばいいのか。心細さに襲われた日本出身の母親を支えてくれたのは、「子どもホスピス」発祥の国の懐の… 続きを読む
日本人って、感情表現が下手だと思う。ぼくも日本人、下手。悲しいのかうれしいのか、優しいのか怖いのか、楽しいのか不愉快なのかもあいまいな表現で、相手は困惑する。 流奈さんは34歳のお母さん。がんの末期で全身に転移し、意識もなくなった。言葉はひと言も出ない。中学3年生の一人っ子の娘さんがいる。滅多に見舞いにみえない。病状は、ご両親には説明してある。「承知してます。できるだけのこと、してやって下さい」。でも肝心のお嬢さんへの説明はまだで、お嬢さんの気持ち、聞いてなかった。理由はあった。お嬢さん、毎日ソフトボール部の部活と塾で忙しく、家に帰ると日は暮れ、宿題はあり、診療所に立ち寄る時間がなかった。 5月下旬の土曜の午後、日焼けした彼女はおばあちゃんとやってきた。カンファレンスルームでおかあさんの病名、病状を説明し、「何か聞きたいことありますか?」と尋ねた。「聞きたいことって?」と少し笑ってはにかん
重い病気の子どもと家族を支える施設「子どものホスピス」が今月、大阪市鶴見区と東京都世田谷区で相次いで開所した。医療機関でもなく、既存の福祉施設とも異なる利用形態が特徴で、関係者の期待も大きい。ただ、新たな理念に基づく、国内に存在しなかった施設だけに、社会に定着するにはトラブルのない施設運営や団体の透明性の確保が求められる。【高野聡】 大阪市に完成した「TSURUMIこどもホスピス」は、一般社団法人「こどものホスピスプロジェクト(CHP)」が、日本財団とユニクロから計約7億円の寄付を得て建設した。花博記念公園緑地内の2000平方メートルの敷地に建てられた2階建て施設にはプレールームやキッチン、宿泊部屋が備わる。木目を生かした各部屋には「おおきな部屋」「どんぐりの部屋」などの柔らかな響きの名がつけられている。 この記事は有料記事です。 残り1548文字(全文1906文字)
重い病気の子どもを支援する施設「TSURUMIこどもホスピス」が4月、大阪市鶴見区に開業した。地域住民との交流を通じ、病気とともに生きる子どもや家族を癒やし、成長を見守るのが目的だ。難病を患う15歳以下の子どもは約20万人いるとされているが、医療機関に併設されていない子ども向けのホスピスは全国で初めてという。 2階建てのホスピスに足を踏み入れると、木の香りが漂う開放的な空間が広がる。1日にあったオープニングセレモニーでは、中庭を一望できる2階テラスに難病を抱えた子どもら3家族が集まった。世界で1枚のオリジナルTシャツを作ろうと、白い紙に色とりどりのペンで絵を描く。 その一人に、大阪市平野区の中学2年、北東紗輝さん(13)がいた。3歳の時に脳腫瘍(しゅよう)と診断され、手術を受けた。現在は自宅で投薬治療を続けながら、学校に通っている。「一緒に病気と闘った仲間と遊んだり勉強したりしたい。早くこ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く