厚生労働省が身体障害の認定を巡り、急速に進行する疾病による障害を早期に認定するよう求める通知を全国の自治体に出した。背景には、四肢がまひするなどの障害があったにもかかわらず身体障害認定されないまま亡くなった、小児がんの子どもたちの存在がある。遺族たちが改善を訴え、通知に至った。【宇多川はるか】 発症5カ月で死亡 「すぐじゃないと間に合わない」 身体障害認定は、医師の診断書などの必要書類をそろえて自治体に申請し、審査を経た後に身体障害者手帳の交付を受けるという流れ。認定基準は、身体障害者福祉法に基づいて種別ごとに国が定めるが、いずれも「一定以上で永続すること」を要件としている。 「一定以上の永続」は、自治体や医療機関では「症状固定」「障害固定」などと言われることがあり、障害が数カ月間変わらずに続くことを「固定」とみなす自治体もある。そのため、進行性で症状が変動する疾病による障害は、「永続性」
AKB48チーム8が28日、都内で行われたパラスポーツ応援イベント「BEYOND STADIUM」に参加した。 パラスポーツの魅力や応援の楽しさを広めるプロジェクト「TEAM BEYOND」のイベントで、東京都が主催。チーム8からは吉川七瀬(19)小田えりな(20)太田奈緒(23)山田菜々美(18)行天優莉奈(18)吉田華恋(15)が参加した。小池百合子都知事や中西哲生氏、アンガールズ、歌手の小浦杏奈(28)らと、オープニングセレモニーを行った。 チーム8を代表してあいさつした行天は「ボッチャのイベントに参加させていただいてプレーもしているけれど、すごく楽しいです。この楽しさを多くの人に知ってもらえるよう頑張りたいと思います」と話した。 またこの日、「TEAM BEYOND」のメンバーが100万人を突破したことが発表された。
全身の筋力が低下する難病で治療法が見つかっていない「ミトコンドリア筋症」で人工呼吸器をつけながら一人暮らしをする平本歩さん(31)=兵庫県尼崎市=が今月、自らの半生をつづった自伝を出版した。話すこともできず、舌のわずかな動きでパソコンを操作し執筆。ほとんど体を動かせなくても、懸命に自らの意思を伝える生き方に共感が広がっている。(加納裕子) 顔の筋肉が動かなくなる前に自伝を 本の題名は「バクバクっ子の在宅記 人工呼吸器をつけて保育園から自立生活へ」(現代書館)。「バクバク」は簡易呼吸器が作動する音を意味するという。 舌で動かせる特殊なマウスによるパソコン操作で、会話の文章作成などを行ってきたが、ここ数年、それが難しい日が増えた。顔の筋肉が動かなくなる前に「人工呼吸器の使用者や障害者の参考にしてもらうため、自伝を書く」と決意。執筆に取り組んできた。 平本さんは生後6カ月で人工呼吸器をつけた。気
「自動運転っていう技術が実現できたら、湘南の海をスポーツカーに乗って風を感じながらぶっとばしたいな! できればその隣にはかわいい女の子を乗せて」と、トヨタのCMでにこやかに話す、河合純一さんをご存じだろうか。 河合さんは、全盲の元水泳選手。パラリンピックでは、1992年のバルセロナから2012年のロンドンまで6大会連続で出場し、なんと5つの金メダルを含む21個のメダルを獲得。2016年には国際パラリンピック委員会(IPC)のパラリンピック殿堂入りを果たした、パラリンピック界のまさにレジェンドである。パラリンピック殿堂入りは世界でもわずか19人で、日本人では初の快挙だった。 私が河合さんと初めて会ったのは、2013年の春。パラリンピックにおける選手強化の課題をまとめる仕事でのことだ。日本パラリンピアンズ協会にヒアリングに訪れた際に、会長として現れたのが河合さんだった。 今となっては自分でも信
2020年東京五輪・パラリンピック大会を3年後に控え、都教育委員会は29日に「ボッチャ交流大会」を都立府中けやきの森学園(府中市)で初めて開催する。大会開催に向けて、都立田無工業高校(西東京市)の生徒が障害でボールが投げられない選手が使用する「ランプ」と呼ばれる補助具をボランティアで作成し、その様子が18日報道陣に公開された。 ランプはボッチャ競技で、手の代わりにボールを転がす装置。作業を行う同校3年の加賀谷友冴さん(17)は「ボールの転がる方向を左右するレーンの作成がうまくできた」と自賛。器具の角で選手がケガをしないよう心を込めたといい、「こうした形でパラリンピックの普及活動に携われてうれしい」と喜びを語った。 大会には、都内の特別支援学校など計24校から34チームが出場する。都立高生は大会運営のボランティアとして参加するという。 都教委の担当者は取り組みについて、「大会をパラスポーツの
2017年06月29日 要望・声明バリアフリーお知らせ タグ 空港 6月5日、奄美空港で起きたバニラエアの車いす利用者搭乗拒否の問題に対して、本日声明を出しました。 「歩けない人は搭乗できない」と職員に言われ、同乗者の介助も制止したといいます。障害者差別解消法が施行され、1年以上が経過をしましたが、障害を持つ人に対する差別的な認識や、この法律が社会にまだまだ認知されていないことが浮き彫りとなったと思います。今回のような事が二度と起こらないよう、改善を進めていただきたいです。 2017年6月29日 バニラ・エア車いす利用者搭乗拒否に対するDPI日本会議声明 特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議 議長 平野みどり 私たちDPI(障害者インターナショナル)日本会議は全国95の障害当事者団体から構成され、障害の種別を越え障害のある人もない人も共に生きられる社会の実現に向けて
RDSは、障がい者・健常者という枠を超えたボーダレスなスポーツメディア「HERO X(ヒーローエックス)」をオープンした。 「HERO X」は、プロダクト・福祉・スポーツという3つの柱を軸にコンテンツを発信するスポーツメディアだ。コンセプトは、世界で一番、ボーダレスなメディアへ。義手や義足、車いすなどの福祉機器の進化に伴い、身体の欠損を補うものから能力を拡張するものへと変わりつつあるプロダクトと、それらが可能にする人間の限界への挑戦を障がい者・健常者という枠を超えて追っていく。 アスリートの挑戦やプロダクト開発の裏側等を取材し、対談・インタビュー記事、連載企画、トピックなどこれまでにない切り口のオリジナル記事を掲載する。現在、チェアスキーヤー森井大輝へのインタビュー、パラアスリートの高桑早生と音楽プロデューサーの小室哲哉との対談などが公開されている。 《美坂柚木》
平昌冬季パラリンピック開幕まであと1年を切った。今回は昨夏のリオデジャネイロ大会に続き、スノーボードで冬の出場も狙うパラアスリートに、タレントで日本財団パラリンピックサポートセンター顧問のマツコ・デラックスさんが迫った。なぜそんなに欲張りなの?(構成・榊原一生 写真・竹花徹朗) ◇ マツコ(以下、マ) あれ、いつも半ズボンなの? 山本(以下、山) いえ、これは僕の「正装」なんです。長ズボンだとめくらないと義足アスリートだと分かってもらえませんよね。去年からあえて義足を見せるようにしています。 マ おしゃれ。その機械みたいな感じが格好いいわ。でも、反対側の鍛えられた足も格好いいわね。 山 この右足もそうですが、失った左足の機能を体全体で補うため体の色々な部位をバランスよく鍛えています。使える筋肉をつけることが大事ですから。 マ 今度はその肉体を使って、冬のパラリンピックに挑戦するんですって?
なぜ、障害者スポーツにヒーローが求められているのか 2020年東京パラリンピックの開催まで4年を切り、障害者スポーツへの注目度は日増しに高まっている。それに伴って障害者スポーツを支援する企業も増えてきており、今、障害者スポーツを巡る環境は変わり始めている。しかし、障害者スポーツに関わる人々は、現在の状況を楽観視していない。「2020年以降もこの熱が持続するのか」「2020年に向けた一過性のものではないか」という疑念を抱いていることが多いのも事実である。 熱を持続させるためには、国の支援や競技団体の地道な普及活動など、必要なことはいくつもあるが、その中でも最も分かりやすいのは「ヒーローの登場」だといえるだろう。「障害者スポーツ」「健常者スポーツ」という垣根どころか、「スポーツ」という枠自体を飛び越え、社会現象を巻き起こすような存在が登場すれば、否応なしに熱は高まる。もちろん、ヒーローが誕生し
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