ハロルド・ローゼンバーグによれば、「現代美術は一種のケンタウルスのようなもので、なかば芸術の素材、なかば言語から成っている」という。現代のあらゆる作品は、そのスタイルを生み出す観念にかかわっており、作品は言葉を分泌することで、自分と眼の間に解釈の霧をさしはさむが、この蜃気楼のようなものから、作品の力が、つまり美学的後継者を通して自らの生命を拡大していく力が生まれてくるのだ。 ここ6、7年間の注目すべき現象は、こうした素材−言葉による構成が現代美術のまぎれもないテーマになったということだ。これに関連して一つの興味深いエピソードがある。1969年のあるコンセプチュアル・アートの展覧会に、ジョセフ・コズスが、(同じ時期に開かれていた)「言語−その3」展へ行って美術と詩を区別するように指示した作品を提出した。この展覧会では約70点の作品のすべてが、何らかの方法で言葉を扱っていたが、美術と詩を分類す