これに従えば「風景」は基本的には好ましい情景、見ていて心が穏やかになるようなものに、「光景」は良くも悪くもインパクトの強い場面に使うということになるでしょう。見慣れた景色については「光景」とは言いにくそうです。 複合語では「○○風景」となる よし、これで大まかに使い分けの基準は作れそうだ――と思ったのですが、毎日新聞の以前の記事には「死亡直後の解剖風景」というものも。先ほどの使い分けからすると「光景」の方がふさわしそうですが、「解剖光景」とするとしっくりきません。 これについては2007年に、国立国語研究所がテキストデータ「日本語コーパス」を公開した際の分析が説明になりそうです。毎日新聞の記事を用いたその分析によると、「○○風景」の形をとるものは「原風景」「日常風景」など94種類246件あったのに対し「○○光景」は「日常的光景」「歴史的光景」「神話的光景」の3種3件のみ(「大規模書き言葉コ