『ステファヌ・マラルメ 賽の一振りは断じて偶然を廃することはないだろう 原稿と校正刷 フランソワーズ・モレルによる出版と考察』(柏倉康夫訳、行路社、二〇〇九年三月二五日)が届いた。これは驚きの一冊。内容は雑誌『コスモポリス』に発表された「賽の一振り」と「序文」、その自筆原稿、そしてヴォラール版(出版されなかった)のための自筆原稿と校正刷(いずれもすべてカラーの写真版)、その活字化とモレル女史による解説、柏倉氏の「あとがき」。 とにかくマラルメの自筆原稿は凄いの一言。いや凄いではなくて美しいというべきか。それも整った美しさというのではなく名手のデッサンに見るような繊細な混沌をはらんだ逸品だ。 自筆原稿の6〜7
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