本の著者の気質を判断するための材料が不足している場合、謝辞を細かく調べてみるというのが書評家の常套手段だ。数ページにわたる謝辞は、元の文章のまま編集が加えられていないのが普通で、褒めちぎるもの、自己中心的なもの、そっけないものなどいろいろだが、300ページの本編と同じくらい雄弁に著者を物語っていることがある。これと同じことが、科学の過程についてもいえる。研究活動には、発表された学術論文や大学のプレスリリースの洗練された報告には書かれることのない舞台裏があり、そうした世界は、博士論文の簡潔な謝辞の中に垣間見られることが多い。
![「ラボテクニシャン」華々しい発見の陰にある、彼ら彼女らの貢献を讃えたい](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1f668e6498e3785fd72eec9ffa3e75850b0aca2d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimg.huffingtonpost.com%2Fasset%2F5c63427b230000760121fd2e.jpeg%3Fops%3D1200_630)