パーソナリティ症(personality disorder)は一般に,思考,知覚,反応,および対人関係の広汎かつ永続的なパターンによって有意な苦痛または機能障害が生じている場合とされる。パーソナリティ症ごとで臨床像は著しく異なるが,いずれも遺伝因子と環境因子の組合せによって引き起こされると考えられている。多くは加齢とともに徐々に軽症化していくが,特定の特性は,疾患の診断の根拠となった急性症状が軽減した後も一定程度持続することがある。診断は臨床的に行う。治療は心理社会的治療および,ときに薬物療法による。 パーソナリティ特性とは,長期にわたって比較的一定している思考,知覚,反応,および対人関係のパターンのことである。 パーソナリティ症は,これらの特性が極めて顕著で,柔軟性に欠け,不適応的なものになるために,仕事および/または対人関係機能が障害される場合である。そうした社会的不適応は,パーソナリ