この文章が表面化している今、僕が書いた原稿が本になっていると思う。『新井素子SF&ファンタジーコレクション② 扉を開けて 二分割幽霊綺譚』(柏書房)。新井素子さんの四十年以上の作家生活を回顧したした作品集である。 そして、その本に乗せた僕の原稿も最近のものではない。SF同人誌『星群』1984年7月に掲載された評論の再録だ。こんな貴重なものを発掘してくださった編者の日下三蔵さんには大感謝である。 ご存知の方も多いだろうが、僕と新井さんは、1978年、ともにSF雑誌『奇想天外』の新人賞に応募し、佳作入選した関係である。『奇想天外』誌の受賞パーティには、選考委員だった小松左京氏・星新一氏・筒井康隆氏も同席しておられた。あこがれのベテラン作家たちが勢揃いする中で、とりわけ異彩を放っていたのが新井さんだった。 当時、高校三年生! その頃は僕も若かったけど、その僕よりもさらに四つ歳下! おまけにかわい