著者の ”世界のミクニ”こと三國清三さんは、日本でもっとも有名なシェフのひとりです。 僕は、三國さんの店『オテル・ドゥ・ミクニ』で食事をしたことはないのですが、ちゃんとものが噛めるうちに、一度は行ってみたい店ではありました。 冒頭で、三國さんが、2022年の12月で『オテル・ドゥ・ミクニ』を閉めたのを知って、残念に思いましたし、三國さんがやろうとしている新しいレストランができるのを楽しみにしています。 この本では、北海道の漁村で貧しい暮らしをしていた子どもの頃の三國さんが、料理人の道を志し、札幌の名門ホテルから帝国ホテル、そして、フランスの名だたる店で修業をして、日本を代表する料理人にのし上がっていく半生が語られています。 1954年生まれの三國さんの働きかた、仕事への向き合いかたは、今の世の中でそう簡単に真似できるとは思えないし、経験してきた料理人の「修業」の厳しさは、2023年に読むと