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柏書房 かしわもちの検索結果1 - 26 件 / 26件

  • 出版社のnote活用事例まとめ完全版(2020年9月時点) - YAMDAS現更新履歴

    yamdas.hatenablog.com 今年のはじめに公開したエントリだが、公開後に早速ここもあそこもあるじゃないと気づいていくつか追加したのだけど、その後になって気づいたところがいくつもあり、またこのエントリは検索サイト経由で訪問する人が多く、こんな不完全なリストを参照させて申し訳ない、と密かに心苦しく思っていた。 その後も note に参入した出版社もあり、2020年9月の現時点での完全版を作っておいたほうがよいのではないかと思った次第である。 今回ももっとも古いエントリの公開日を「開始日」として、それが古い順番に並べてみた。一方で「フォロワー数」はあまり意味がない(数を競うべきものじゃない)数字だと思い直して今回は外した。 これを出版社に入れていいのかと疑問に思うものも入れたが、出版エージェンシーや書店、あと勤務先を明かしていても飽くまで出版社の社員(社長)個人の note は外

      出版社のnote活用事例まとめ完全版(2020年9月時点) - YAMDAS現更新履歴
    • 「忘却されつつある歴史」に属する本|隠岐さや香さんが選ぶ「絶版本」|かしわもち 柏書房のwebマガジン

      本連載は2022年9月に書籍化されました。 羽仁五郎 編『學問・思想の自由のために』(北隆館、1950年) 今、地球上で最も読みづらい本の一つは、20世紀後半の日本の絶版本である。そのことを実感する機会がつい先日訪れた。 近年は古い貴重な書物ほどオンラインで読めるという矛盾した状況になっている。私は18世紀フランスの科学史が専門だが、18世紀に出版されたフランス語の本はそういう状況である。特にGoogle Booksが激しい勢いで書物をデジタル化してしまったこともあり、当時の新聞や雑誌を除けば、大半の刊本はネットで読めるという感覚がある。 しかし20世紀の書物となると、著作権の問題があるので原則としてオンライン公開されない。無論、言語ごとの差もある。英語、フランス語は最近の本でも最初の数ページくらいはGoogle Booksかオンライン書店のサイトで読める。だが、日本語の本はあまりそうなっ

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      • 【編集者座談会】人文書担当編集者たちが語る「ヒット本の裏側とバズらせ方と下心」|じんぶん堂

        記事:じんぶん堂企画室 左から:麻田江里子さん(KADOKAWA)、柴山浩紀さん(筑摩書房)、竹田純さん(柏書房) 書籍情報はこちら 複数のリリースを用意して「協力者を一人でも増やす」 KADOKAWAの麻田江里子さんが取り上げたのは『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考』(古田徹也著)。角川選書「シリーズ世界の思想」の中の1冊だ。「(担当する角川選書と角川ソフィア文庫は)場合によっては50年ぐらい同じものを売るジャンル。基本の作品を整えて、シリーズものを展開できるようにすること、そして、やさしい一流の解説、長く読まれる最新の研究を扱うという基本方針」があったという。 角川ソフィア文庫の「ビギナーズ・クラシックス」では「日本」や「中国」の古典や思想は取り上げてきたものの、「西洋」をきちんとフォローできておらず、長年の“編集部の課題”だったそう。そこで、ちょうどレーベルの新シリーズを模索してい

          【編集者座談会】人文書担当編集者たちが語る「ヒット本の裏側とバズらせ方と下心」|じんぶん堂
        • 巨大都市殺し|高島 鈴|かしわもち 柏書房のwebマガジン

          1 今もはっきり思い出せるんだけど、実家近くの横浜線の線路沿い、フェンスと線路のちょうど間のあたりに、キャベツが植わっていた。たぶんキャベツ。少なくとも球形の葉物だった。鳥避けの風車も立っていて、農作業用の帽子を被った見知らぬ人物が、腰を曲げて野菜の世話をしている様子を何度も見た。だから幼少期の私は素直に、ああこの土地はこの人の畑なんだな、と納得していた。 それから何年もして、私がティーンエイジャーになるかならないかくらいの時期だったと思う。突然その畑がなくなった。耕され、野菜が植えられていたあの場所は、突然全てひっぺがされて、何か立て看板――どんな文面だったかは忘れたが、とにかくここはJRの土地で、耕作してよい領域ではないという趣旨のもの――が立ち、あの農作業用帽子の人物もいなくなってしまった。その光景を見て初めて、私はあの畑が誰の許可も得ずに勝手に耕されていた地面であったと知ったのだっ

            巨大都市殺し|高島 鈴|かしわもち 柏書房のwebマガジン
          • 知の散逸を防げるか|西田亮介さんが選ぶ「絶版本」|かしわもち 柏書房のwebマガジン

            本連載は2022年9月に書籍化されました。 アンソニー・ギデンズ『第三の道――効率と公正の新たな同盟』佐和隆光 訳(日本経済新聞出版 、1999年) 研究者であり、また文筆業を生業とするという仕事柄、絶版、そして絶版本と向き合う機会は少なくない。これまで10冊ほどの単著と多くの共著や分担執筆等で書籍とかかわってきたが、絶版になっているものも多数ある。好きな読み物のなかでも、絶版になってしまったものはいろいろある。江藤淳、吉田健一、彼らの著作の多くは、もはや簡単に手に取ることはできなくなってしまっている。また、例えば彼らは多作だったから、短編が全集か、今は手に取ることが難しくなった著作のなかに含まれてしまっていることも珍しくない。江藤のSFC最終講義の名教育論「SFCと漱石と私」もそのひとつだ(2020年に別途、『日本の最終講義』に所収された)。こういう短編は、個別に電子化してくれれば、もっ

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            • 内田善美の「隠遁」|稲葉振一郎さんが選ぶ「絶版本」|かしわもち 柏書房のwebマガジン

              本連載は2022年9月に書籍化されました。 内田善美『空の色ににている』(集英社、1981年) 書籍の品切・絶版の意味はネット書店の出現以降、大きく変わってしまった。 インターネットの民間への普及以降(はっきり言えばAmazon以降)、書籍の流通は新刊・古書の双方を含めて全く変わってしまった。インターネット以前には、古書どころか新刊書でさえ、基本的には足で探さねばならなかった。新刊の流通ネットワークはあまりにものろく、新刊書店の店頭で注文しても届くまでには何週間かかかり、在庫の確認もおぼつかないとなれば、大きめの書店をいくつもはしごして回るほうが確実というものだった。新刊書はもちろんのこと、古書も、そして公共図書館のコレクションも、ろくに電子データベース化されていなかったのだから仕方がない。そのような時代であれば、貴重な一次資料(手稿など複製のない一点ものの文書)ではない、れっきとした大量

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              • 紀伊國屋じんぶん大賞2023 読者と選ぶ人文書ベスト30

                ▶歴代 紀伊國屋じんぶん大賞 ▶キノベス!2023 ▶キノベス!キッズ2023 紀伊國屋じんぶん大賞 第1位『布団の中から蜂起せよ ―アナ-カ・フェミニズムのための断章』高島鈴 高島鈴 さん 特別寄稿 このたびは大変大きな賞をいただき、ありがとうございます。『布団の中から蜂起せよ』を支えてくださった布団の中のみなさまに、まずは感謝を申し上げたいと思います。私はこの本を、あらゆる意味で揺らぎのある生を生きる人のために、今生きているのがしんどいと感じている全ての人のために書きました。そのような人たち─もしかするとあなた─に向けて、本書は黙って開かれた扉として、誰かが飛び込んでくるのを待っています。 副題にあるアナーカ・フェミニズムとは、アナキズムとフェミニズムが合体した言葉で、国家をはじめとするあらゆる権力を否定し、またあらゆる差別を否定する思想を指します。アナーカ・フェミニズムの革命は流動的

                • ナチスの聖典は絶版にすべきか|藤原辰史さんが選ぶ「絶版本」|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                  本連載は2022年9月に書籍化されました。 R. W. ダレエ『血と土』黒田禮二 訳(春陽堂、1941年) 絶版するのがもったいない、今すぐにでも復刊してほしいという本もあれば、絶版でよかった、絶版が当然だと思う本もある。今から80年前に日本で刊行された『血と土』も、そんな本の一つである。 「血と土 Blut und Boden」は、ナチスの根幹思想、略して「ブルーボ」とも呼ばれた。ドイツの農村でこそ、健康な民族の血が育成されることを訴える農本主義的スローガンだ。この「血と土」をもとに、ナチスは農民帝国の復興を謳い、農民票を獲得して政権の座を射止めた。この言葉の組み合わせのどこに人は惹かれたのだろう。これまでの貴重な20年を私は「血と土」という僅か三文字の言葉の解読に費やしてきてしまったと言っても過言ではない。 大学4年生のとき、古本屋で約8000円の『血と土』を購入した(カバーはついてい

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                  • 出版社のnote活用事例まとめ - YAMDAS現更新履歴

                    [追記はじまり] このエントリのアップデート版である出版社のnote活用事例まとめ完全版(2020年9月時点)を公開しましたので、そちらを参照ください。 [追記おわり] 最近、note を使っている出版社がいくつも目についたのでまとめておく。出版社が何かしらウェブでチャレンジをやるとしたら、それにふさわしい場は note なんだろう。 ちょっと検索しただけでは出てこなかったが、こういうまとめを既にやってる人がいたら申し訳なし。漏れがあると思うので、お気づきの方はコメントください。 出版社 note 開始日 フォロワー数 関連サイト 文藝春秋 文春note部 2015/12/17 8596 文藝春秋BOOKS リトルモア リトルモア 2017/01/16 330 リトルモア ライツ社 ライツ社 2017/09/11 52659 @writes_p 早川書房 Hayakawa Books &

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                    • 「弱いまま生きていく」ということをまず肯定したい。高島鈴に聞くこれからの社会のこと | CINRA

                      去年10月に発売されたライター高島鈴さんの初単著『布団の中から蜂起せよ―アナーカ・フェミニズムのための断章』(人文書院)。『紀伊國屋じんぶん大賞2023 読者と選ぶ人文書ベスト30』の1位に選出され、韓国語版の発行が決まるなど反響を呼んでいる。 国家や家父長制、資本主義、ルッキズムに異議を唱え、あらゆる権力に抗うことの必要性を説く本書は、読者を鼓舞し、脈打つような言葉にあふれている。とはいえ高島さんは、「布団から起き上がることができなくても、世界は変えられる」とも語りかける。元気がなくても、身体を動かすことができなくても、この社会に抗うことはできる。生存すること自体が、すでに抵抗だと――。 「弱いままでも生きていくことをまず肯定したい」と話す高島さんに、本書を上梓した理由や、「生存は抵抗」というスローガンにどんな思いを込めたのか、インタビューで聞いた。 CINRAの創設20年を記念して、過

                        「弱いまま生きていく」ということをまず肯定したい。高島鈴に聞くこれからの社会のこと | CINRA
                      • 知らないあなたへ、都市で会いましょう|巨大都市殺し|高島 鈴|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                        1 何もできぬうちに部屋に吹き込む風が生ぬるくなる。私は抗うつ剤を変えたせいで一月の間吐き続け、体重が三キロほど落ちた。同居人とは諸事情でルームシェアを解消することになり、私は広い部屋に一人で残された。気づけばこの四十平米の城に、窓を開けることもできないほどの猛暑が訪れていた。夏であった。 なんとなくマッチングアプリをダウンロードしたのは、部屋の空白がむしょうに寂しくなったからである。それまで私は何度かアプリを勧められてきたが、なんとなく恐ろしくて始める気にならなかった。聞くところによれば、アプリは次から次へと出てくる人間の写真を捌いていかねばならないという。そのような形で他人をジャッジする行為を、私は自分に許したくなかったのだ。 ……とはいえ何もしなくとも出会いが降ってくるほど世の中は優しくできていなかった。都市において人間と人間の距離は近く、ゆえに人間同士は無関心を装うことが求められて

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                        • ボムとポストイット|巨大都市殺し|高島 鈴|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                          1 二〇二一年の暮れのことである、と書き出せば過去らしく見えるので、そのように書く。二〇二一年の暮れのことであった。私は交際相手との破局に直面していた。理由は明快、私は誰とも結婚したくないと考えており、相手は誰かと結婚することを望んでいたからだ。二人のやりたいことは単純に食い違っていた。この齟齬が解決不可能だとお互いが理解したとき、われわれは友人へと戻った。 はっきり言えば悔しかった。この際、元交際相手はむしろ関係がない(私は相手にいっさい悪感情を持っていない)。私の中に湧いていたのは社会制度に対する怒りである。ただ人間同士が個別の紐帯を結び、思い思いに関係していればいいだけなのに、国家は市民に親密圏を申告させ、お墨付きを与える。かくして人間関係には、公的な承認を得たもの/公的な承認を得ないもの、という二項対立が生まれ、前者が後者に優越するかのような言説が罷り通る。社会保障は公的な承認を得

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                          • 私たちが女を個別化する理由|はらだ有彩×ひらりさ対談①|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                            『日本のヤバい女の子』の著者、はらだ有彩さんと、ライターのかたわら劇団雌猫メンバーとしても活動するひらりささん。お二人とも、書籍や連載を通じて、これまで多くの女性について書いてきました。トークイベントなどでも何度か共演しているものの、なかなかじっくり話す機会がなかったという二人が、今回は「時間を気にせず、お互いが気になっていることをおしゃべりしてみよう」と対談しました。第一回は、女性を個別化することについて。(全三回の第一回/第二回、第三回へ) * * * ひらりさ はらださんとは、2018年6月にお会いしたのが初めてでしたよね。『日本のヤバい女の子』の1冊目が発売したところで、刊行記念トークイベントに呼んでいただきました。私はライターとしてインタビュー記事を書いたり、オタク女子ユニット「劇団雌猫」のメンバーとして、「オタク女子のインターネットで言えない話」を軸にした同人誌・書籍を刊行した

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                            • 大西民子と北沢郁子|そしてあなたたちはいなくなった|瀬戸夏子|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note

                              一九四九年、女性歌人のみで構成された「女人(にょにん)短歌会」が結成された。女人短歌会は季刊誌「女人短歌」と叢書を創刊し、多くの女性歌人をシーンに送り出してきた。後の女性歌人の飛躍を語るうえで欠かせない存在であるにもかかわらず、彼女たちの功績は、ほとんど顧みられてこなかった。 本連載「そしてあなたたちはいなくなった」では、男性優位の歌壇のなかにあって、それぞれの戦いを粘り強く展開してきた「女人短歌」の女性歌人たち、そして、あえて「女人短歌」からすこし距離をとりながら同時に戦ってきた女性歌人たち、ひとりひとりの素顔と歩みに、歌人の瀬戸夏子がせまる。 第一回は、夫との悲惨な離婚劇と妹との密な関係を詠みつづけたことでよく知られている大西民子と、彼女の親友の北沢郁子。 ─────────────────────────────── 第一回 大西民子と北沢郁子 大西民子という人がいる。大西民子という

                                大西民子と北沢郁子|そしてあなたたちはいなくなった|瀬戸夏子|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note
                              • 祝!紀伊國屋じんぶん大賞2020第9位!「舞姫の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコ」の著者・山下泰平が選ぶ「明治本」20冊|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                                記念として、ジュンク堂書店福岡店などで行われた、同書刊行記念フェア《NO明治、NO令和》にて、著者の山下泰平さんが選書した近代文学や明治関連書籍20冊を、簡にして要を得た推薦コメント付きで公開します。(編集部) ※グレー背景部文が山下泰平さんの推薦コメントです。(こういう風になっている箇所です)____________________________ ①森鷗外『舞姫』 内容的に叩かれがちな主人公、しかしまだまだ全てが未熟な明治時代に20代後半の若者が書いた小説だと考えるとこんなものかなと思えないでもない。

                                  祝!紀伊國屋じんぶん大賞2020第9位!「舞姫の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコ」の著者・山下泰平が選ぶ「明治本」20冊|かしわもち 柏書房のwebマガジン
                                • 「わからない」は差別用語?|はらだ有彩×瀬戸夏子×ひらりさ×倉本さおり 座談②|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                                  2019年9月、都内某所に今をときめくヤバい書き手4人が集結しました。 昔話に登場する女の子とガールズトークを繰り広げる話題作『日本のヤバい女の子 静かなる抵抗』(柏書房)の著者・はらだ有彩さん、劇団雌猫メンバーとして全国のオタク女性の背中を押すひらりささん、初の散文集『現実のクリストファー・ロビン』が注目を集める女性歌人・瀬戸夏子さん、多数のメディアに書評や時評を寄稿する書評家・倉本さおりさん。 第2回は「わからない」という語がもつ多義性や「おじさん」呼称のむずかしさ、タクシー運転手体験に話題が移っていきます。|構成:いつか床子(第一回/第三回) はらだ有彩 関西出身。テキスト、テキスタイル、イラストレーションを手掛けるテキストレーター。ファッションブランド《mon.you.moyo》代表。2018年に刊行した『日本のヤバイ女の子』(柏書房)が話題に。2019年8月に続編にあたる『日本の

                                    「わからない」は差別用語?|はらだ有彩×瀬戸夏子×ひらりさ×倉本さおり 座談②|かしわもち 柏書房のwebマガジン
                                  • 言葉の網目で個をつつむ|荒井裕樹|第15回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞スピーチ【全文公開】|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                                    2022年4月22日(金)、神田神保町の出版クラブホールにて、第15回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」の表彰式と記念講演会がおこなわれました。本賞は、個別の「作品」ではなく「人」そのものに、過去の「業績」ではなく今後の「可能性」に対して与えられるものです。栄えある第15回の受賞者は、文学者の荒井裕樹さん。柏書房からは『まとまらない言葉を生きる』を出版いただいています。 ▼受賞理由はこちら▼ コロナ下での開催であったため、限られた関係者のみを集めての会となりましたが、そこで荒井さんが語ったことは、人を追い詰め、黙らせる言葉があふれる現代社会において、言葉への「信頼」を取り戻すための第一歩となるようなものでした。広く読まれるべきと思い、ご本人の許可を得て、受賞講演を全文公開させていただきます。荒井さん、このたびは本当に、おめでとうございました。 写真提供=NPO法人 わたくし

                                      言葉の網目で個をつつむ|荒井裕樹|第15回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞スピーチ【全文公開】|かしわもち 柏書房のwebマガジン
                                    • アガサ・クリスティーと中島梓|そしてあなたたちはいなくなった 第0回|瀬戸夏子|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note

                                      一九四九年に結成された「女人(にょにん)短歌会」の女性歌人たちと、同時代に生きた女性歌人たち、ひとりひとりの素顔と歩みにせまる本連載「そしてあなたたちはいなくなった 「女人短歌」とシスターフッド」。 今回は第0回として、瀬戸夏子さんのエッセイを掲載いたします。なりゆきで決まったはずの連載タイトルが、回を重ねるうちに多彩な意味合いを帯び、瀬戸さん自身の葛藤と覚悟を引き出していく過程が綴られています。(第1回/第2回/第3回) ──────────────────────────── この連載のタイトルはもちろんアガサ・クリスティーの名作『そして誰もいなくなった』のパロディーである。ただし単行本になるときには別のタイトルになる可能性も大いにある。今回の記事はnote連載のタイトルにまつわる話をしようというおまけ企画なので、短歌の話はでてきませんが、肩の力を抜いて(?)読んでいただけたらうれしい

                                        アガサ・クリスティーと中島梓|そしてあなたたちはいなくなった 第0回|瀬戸夏子|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note
                                      • ロールモデルはなくていい|はらだ有彩×ひらりさ対談②|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                                        『日本のヤバい女の子』の著者、はらだ有彩さんと、ライターのかたわら劇団雌猫メンバーとしても活動するひらりささん。お二人とも、書籍や連載を通じて、これまで多くの女性について書いてきました。トークイベントなどでも何度か共演しているものの、なかなかじっくり話す機会がなかったという二人が、今回は「時間を気にせず、お互いが気になっていることをおしゃべりしてみよう」と対談しました。 第二回のテーマは、女性に求められがちなロールモデルや肩書きについて。(第一回、第三回へ) * * * ロールモデルはなくていい――個別化することは、なにかの役割を担うこととは異なるのでしょうか。自分自身を個別化するためには、自分がなにをしている人なのか、たとえば肩書きや役割を提示していかなければならないように感じます。 ひらりさ うーん。私にとって、「個別化」と「差別化」は違うかもしれない。肩書や役割は差別化のために求めら

                                          ロールモデルはなくていい|はらだ有彩×ひらりさ対談②|かしわもち 柏書房のwebマガジン
                                        • そしてあなたたちはいなくなった|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note

                                          中城ふみ子と中井英夫|そしてあなたたちはいなくなった 第7回|瀬戸夏子  一九四九年に結成された女人(にょにん)短歌会は、季刊誌『女人短歌』を創刊し、多くの女性歌人に活躍の場をあたえてきた。本連載では、この短歌会の女性歌人、そしてあえて距離をとりながら同時代を生きた人々、ひとりひとりの素顔と歩みを、歌人の瀬戸夏子が描き出す。 第7回は、鮮烈な歌壇デビューを飾るもその僅か四ヶ月後に逝った歌人・中城ふみ子と、その中城を見出し、最期まで伴走した編集者・中井英夫。後年公開 もっとみる

                                            そしてあなたたちはいなくなった|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note
                                          • 中城ふみ子と中井英夫|そしてあなたたちはいなくなった 第7回|瀬戸夏子|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note

                                            一九四九年に結成された女人(にょにん)短歌会は、季刊誌『女人短歌』を創刊し、多くの女性歌人に活躍の場をあたえてきた。本連載では、この短歌会の女性歌人、そしてあえて距離をとりながら同時代を生きた人々、ひとりひとりの素顔と歩みを、歌人の瀬戸夏子が描き出す。 第7回は、鮮烈な歌壇デビューを飾るもその僅か四ヶ月後に逝った歌人・中城ふみ子と、その中城を見出し、最期まで伴走した編集者・中井英夫。後年公開された往復書簡や証言が明らかにした、尋常ならざる二人の紐帯、そして、中井が著した反・推理小説『虚無への供物』を手掛かりに立ち上がる「歪なシスターフッド」とは── * * * 一九九二年、中城ふみ子生誕七十周年の座談会で、馬場あき子は「中城ふみ子から女歌が出発したといえる」と発言し、尾崎左永子が「確実にそう言っていいと思う。やはり(昭和)二十九年はエポックメーキングの年ね」と答えている。生誕七十周年とはい

                                              中城ふみ子と中井英夫|そしてあなたたちはいなくなった 第7回|瀬戸夏子|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note
                                            • 「校正は、じつは、ルールと心情のあいだで揺れ動く、とても人間的な作業なのである。」『カンマの女王』訳者あとがき公開|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                                              誤字・脱字や言葉の誤用を正す「校正」。ベテラン校正者の眼を通じて見るそれは、規則と心情とのあいだで揺れ動く、意外なほど人間らしい仕事だった! アメリカの老舗雑誌『THE NEW YORKER』の校正担当者で、“Comma Queen“〈カンマの女王〉の異名をもつ著者が、その半生と、校正の現場で遭遇したミスや「揺れ」を振り返る──。“between You and I”のようなネイティブでも間違える文法や語法、ディケンズ、メルヴィル、ディキンソンら著名作家たちが操る記号──カンマやダッシュ、コロン──の独特な使い方、クセが強い校正者たちのエピソード、トランスジェンダーのきょうだいを呼ぶときの代名詞etc…。「正しい英文法」だけでは白黒つけられない、迷いと葛藤の日々を描く唯一無二の校正エッセイ! 読書案内、索引あり。 【訳者略歴】 有好宏文(ありよし・ひろふみ) 1987年北海道旭川市生まれ。

                                                「校正は、じつは、ルールと心情のあいだで揺れ動く、とても人間的な作業なのである。」『カンマの女王』訳者あとがき公開|かしわもち 柏書房のwebマガジン
                                              • 第12回「奥武蔵美晴休憩所」駅徒歩0分でたどり着く、心やすらぐ休憩所|パリッコ|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                                                ☆NEWS! 本連載が単行本になりました。連載時には掲載できなかった写真を多数追加収録、読むだけでほろ酔い、夢見心地の旅気分が味わえる、書籍ならではの充実の一冊です! 2020年9月25日(金)発売。四六判並製、184ページ、オールカラー。定価:本体1600円+税。全国書店様にてお求めください! 以前、西武線に乗って秩父へ行く途中、停車中の「吾野(あがの)」という駅の目の前に、気になる店があるのを発見した。 ◆それがこの「奥武蔵美晴休憩所」 吾野駅は、以前この連載で紹介した「橋本屋」がある飯能駅で、西武秩父線に乗り換え、埼玉のさらに奥地へと進んで行って、西武秩父の五つ手前。駅前にコンビニなどあろうはずもなく、この奥武蔵美晴休憩所だけが営業している。写真に写る手前の屋根らしきものが、駅舎のひさし。そう説明すれば、この店がどれほど駅近にあるのかわかってもらえるだろう。 その日は別の用事で秩父へ

                                                  第12回「奥武蔵美晴休憩所」駅徒歩0分でたどり着く、心やすらぐ休憩所|パリッコ|かしわもち 柏書房のwebマガジン
                                                • 片山廣子と「物語の女」|そしてあなたたちはいなくなった|瀬戸夏子|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note

                                                  一九四九年、女性歌人のみで構成された「女人(にょにん)短歌会」が結成された。女人短歌会は季刊誌「女人短歌」と叢書を創刊し、多くの女性歌人に活躍の場を与えた。後の女性歌人の飛躍を語る上で欠かせない存在であるにもかかわらず、彼女たちの功績は、ほとんど顧みられてこなかった。 「そしてあなたたちはいなくなった」では、男性優位の歌壇のなかにあって、それぞれの戦いを粘り強く展開してきた「女人短歌」の女性歌人たち、そして、あえて「女人短歌」からすこし距離をとりながら同時に戦ってきた女性歌人たち、ひとりひとりの素顔と歩みに、歌人の瀬戸夏子がせまる。 第二回は、芥川龍之介の「最後の恋人」であり、堀辰雄の「物語の女」だった、 明治という時代が生んだ才女・片山廣子(ひろこ)。 ─────────────────────────────── 「女人短歌」は、第二号の巻頭連作に片山廣子(ひろこ)の「りんご」を持った

                                                    片山廣子と「物語の女」|そしてあなたたちはいなくなった|瀬戸夏子|かしわもち 柏書房のwebマガジン|note
                                                  • いまこそ語りたい、あの一冊|絶版本|柏書房編集部|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                                                    本連載は2022年9月に書籍化されました。 【絶版】今まで出されていた書籍の発行を終了すること。出版契約期間の満了や該当書籍の売行きが今後まったく見込めない場合などに絶版にする。 胃が痛くなる言葉だ。自分のつくっている本が絶版となり、断裁リストに載って回覧されてくるとき。読者や書店からの問い合わせ、あるいは、著者からの「Amazonで在庫が切れているのですが、そろそろ重版ですか?」という期待のにじむ問いかけに対して、「いまはその本、出荷できなくてですね……」「いやあ、まだちょっと、難しいですね……」と言わざるをえないとき。これほど不甲斐ない瞬間はない。 *** ところで、【絶版】と【品切れ】の違いをご存じだろうか。「一般読者」(これも出版業界特有の言い回し)からしたら、「どっちも同じでは?」と思われるかもしれない。でも、異なる概念だ。 冒頭に掲げた【絶版】の定義は『出版社の日常用語集〈第4

                                                      いまこそ語りたい、あの一冊|絶版本|柏書房編集部|かしわもち 柏書房のwebマガジン
                                                    • ホームシックについて|帝国の追放者たち|ウィリアム・アトキンズ【試し読み】|かしわもち 柏書房のwebマガジン

                                                      不幸のいちばんの原因は、 ここではないどこかへ 行きたいという望みだろうか? 2023年6月22日に、英国の紀行作家ウィリアム・アトキンズ氏による『帝国の追放者たち——三つの流刑地をゆく』(山田文 訳)が配本されます。かつて「帝国」と呼ばれた大国の「流刑地」だった三つの島を旅しながら、いまなお残る歴史的な傷跡と亀裂を浮かび上がらせた一冊です。 装丁=コバヤシタケシ 本書はある流刑囚三人の物語です。すなわち──フランスによってニューカレドニアへ送られたパリ・コミューンの闘士、ルイーズ・ミシェル(1830-1905)、イギリスによってセントヘレナへ送られたズールー人の王、ディヌズールー・カ・チェツワヨ(1868-1913)、ロシアによってサハリンへ送られたウクライナの人民主義者、レフ・シュテルンベルク(1861-1927)。より大きな自由とホームの理念のために、目の前の自由とホームを犠牲にした

                                                        ホームシックについて|帝国の追放者たち|ウィリアム・アトキンズ【試し読み】|かしわもち 柏書房のwebマガジン
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