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  • 「ロレンツォのオイル」 その後(1) | 2008年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

    〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第134回 「ロレンツォのオイル」 その後(1) 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2793号よりつづく) 5月30日,映画「ロレンツォのオイル/命の詩」(1992年,米)のモデルとなったロレンツォ・オドーネが亡くなった(享年30歳)。この映画については,すでに,拙著『アメリカ医療の光と影』(2001年,医学書院)でも紹介したが,以下,あらためてあらすじを振り返る。 ALDの息子を救うために夫婦が独力で研究 健康に何の問題もなくすくすくと育ったロレンツォが,学校での問題行動や転倒などの症状を示すようになったのは,1983年秋,5歳のときのことだった。副腎白質ジストロフィー(adrenoleukodystrophy;以下ALD)と診断されたのは半年後の1984年4月だったが,父オーギュストと母ミケラは,「治療法がない遺伝性疾患。知能・運動能力・視力・聴力

      「ロレンツォのオイル」 その後(1) | 2008年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
    • 特定図書館等における著作権法第31条第2項に基づく著作物の公衆送信について | 社告 | 企業情報 | 医学書院

      特定図書館等における著作権法第31条第2項に基づく著作物の公衆送信について 著作権法第31条第2項は、 「特定図書館等においては、その営利を目的としない事業として、当該特定図書館等の利用者(中略)の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(国等の周知目的資料その他の著作物の全部の公衆送信が著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情があるものとして政令で定めるものにあっては、その全部)について、次に掲げる行為を行うことができる。ただし、当該著作物の種類(著作権者若しくはその許諾を得た者又は第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその公衆送信許諾を得た者による当該著作物の公衆送信(中略)の実施状況を含む。(中略))及び用途並びに当該特定図書館等が行う公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。 一 (省略) 二 図

        特定図書館等における著作権法第31条第2項に基づく著作物の公衆送信について | 社告 | 企業情報 | 医学書院
      • 即興演劇を通じて人間力を育む | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

        「積極性がない」「マニュアル的な患者対応をしている」「興味のないことには全く関心を示さない」「コミュニケーション・スキルのバラつきが大きくなっている」。昨今の医学生・研修医に対するイメージについて上記の中堅臨床医の声を聞いた臨床倫理学を専門とする服部健司氏(群馬大学大学院教授)は,「これまでは医学の専門知・技術を教育する場として存在した医学部だったが,これからは人間や社会についての理解を深め,経験知を増やすための場が医学部には求められる」と卒前教育の変化の必要性を説く。本紙では,こうした背景を基に群馬大学で立ち上げられた授業,「医系の人間学」の模様を取材した。 第1場 医師 内山さん,お加減いかがですか。 患者(内山) はあ,先生。……あんまり変わりがないです。入院してよくなったかっていうと,そういうこともなくて。 医師 うーん,そうですか……。 患者 手や足に力が入らないし,ジンジンして

          即興演劇を通じて人間力を育む | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
        • 精神疾患をもつ人を,病院でない所で支援するときにまず読む本 | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

          まえがき 本書は、精神疾患をもつ人を病院以外の場所で支援する、初心者からベテランまでを含むすべての人に向けて書きました。 中身に入っていく前に、この本のサブタイトルにある「“横綱級”困難ケース」、この言葉について触れておきたいと思います。 皆さんは「横綱級」と聞いて何を思ったでしょうか。支援者の方や家族の方であれば、自分たちが苦労をしながら実際に支援している人を思い浮かべたかもしれません。当事者の方であれば、「自分たちをバカにしたようなこのネーミングはなんとかならないの?」と思われたかもしれません。同じ言葉でも捉え方は立ち位置によって変わると思います。 じつはそのように不快に感じるかもしれない人がいるかもしれないと思うと、「“横綱級”困難ケース」という言葉をタイトルに据えるかどうか、私もかなり悩みました。編集者と共に考えて、考えて、考えた末に、やっぱりこの言葉をサブタイトルに入れることにし

            精神疾患をもつ人を,病院でない所で支援するときにまず読む本 | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院
          • WHOをゆく | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

            序 2009年1月30日,約20年間の世界保健機関(WHO)での仕事を終え,帰国.引越しの荷物に手を着けるまもなく,2月2日より母校・自治医科大学での仕事が始まった.亜熱帯・マニラにおける長い生活で汗腺の緩んだ身には,母国の厳寒は堪えた. 4月に入り,久しく味わう機会のなかった「日本の桜」に接すると,多くの出来事が凝縮していたWHOでの20年間も,遠い昔のことのように思えた.徐々に日本での生活,仕事に慣れてきた. そうした中,医学書院の担当編集者から,「WHOにおける感染症対策などの仕事を,単行本としてまとめてはどうですか」との提案があった.私は,気が進まなかった. 同じ医学書院からの勧めで,私はWHO西太平洋地域事務局長としての仕事や考えを,2004年から2009年までの5年間,毎月,雑誌『公衆衛生』に連載していた.WHOでの仕事の主要な部分は,すでにこの連載に記録として残した,という気

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            • 医学書院/週刊医学界新聞 【東京麻酔専門医会総会の話題から】 ( 第2642号 2005年7月18日)

              さる6月11日,東京麻酔専門医会総会が宮坂勝之会長(国立成育医療センター)のもと,東京都世田谷区の国立成育医療センターにおいて開催された。 深刻な麻酔科医不足を解決するにはどうすればよいのか,公開討論「麻酔科医はなぜ少ないか,何が問題なのか?」(司会=順大・稲田英一氏,慶大・武田純三氏)では,麻酔科医だけでなく行政,マスコミに携わる演者も参加し,活発な議論が交わされた。 手術件数が増加傾向でも 麻酔科医は増えず 討論に先立ち,麻酔科医のマンパワー不足の現状について,司会の武田氏は「手術件数が増加する中で,多少のゆとりがあってカバーできていたものが,破綻し始めたのではないか」と指摘し,2003年度に行った麻酔科医のマンパワー調査について報告した。 この調査は全身麻酔を行っている大学病院および一般病院を対象に行ったもので,一施設あたりの麻酔科医師数は大学病院で平均20人(うち半数が研修医),一

                医学書院/週刊医学界新聞 【東京麻酔専門医会総会の話題から】 ( 第2642号 2005年7月18日)
              • 科学者の良心(今村文昭) | 2018年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                 栄養疫学者の視点から 栄養に関する研究の質は玉石混交。情報の渦に巻き込まれないために,栄養疫学を専門とする著者が「食と健康の関係」を考察します。 [第18話(最終回)]科学者の良心 今村 文昭(英国ケンブリッジ大学 MRC(Medical Research Council)疫学ユニット) (前回よりつづく) 少々大げさな言い方になってしまうが,科学者の良心とは何だろう。そんなふうに考えさせられる出来事が何度かあった。これまでこなした数百の査読もその一端である(査読の課題,困難については第6話・3238号を参照)。医学雑誌に投稿され査読に回る論文の採択率はおよそ10%前後と考えている。したがって査読をする際,私は基本的に問題ありきという前提で目を通す。そしてその問題をできるだけ改善することで,科学,社会,および当該ジャーナルとその読者にとって良質な論文になり得るか否かの判断をエディターに

                  科学者の良心(今村文昭) | 2018年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                • 「朝起きられない」を治療し若者の将来を守る(松井健太郎,神林崇,志村哲祥) | 2023年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                  対談・座談会 松井健太郎,神林崇,志村哲祥 2023.03.06 週刊医学界新聞(通常号):第3508号より 概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)のうち,睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)の有病率は全人口の1%前後1),若年者に絞れば7~16%に及ぶと考えられている2)。「朝起きられない」ことへの周囲の不理解から「怠け」「気合が足りないだけ」とみなされ,退学・退職につながる,あるいは自殺に至るケースもあり社会的影響が大きい疾患である。 その影響の大きさに比し,医療職の中でもその疾患概要,治療法が十分に周知されているとは言えない。充実してきた薬物治療を踏まえて今後どのような取り組みが求められるのか,専門家3氏が座談会を行った。 松井 概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)はさまざまな疾患を包括する概念です。志村先生から改めて概説してもらえますか。 志村 CRSWDは社会的に望ましいタイムス

                    「朝起きられない」を治療し若者の将来を守る(松井健太郎,神林崇,志村哲祥) | 2023年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                  • 文献渉猟いとをかし | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                    対談・座談会 清田 雅智,陶山 恭博 2021.08.02 週刊医学界新聞(通常号):第3431号より 歴史とは現在と過去との対話である――(E.H. カー『歴史とは何か』岩波新書,1962年)。 確立された医学知識の背景には,先人の知見と新規性を証明する精緻な作業の積み重ねがある。未解明の事象に挑んだ偉人たちの英知は,身体所見や症状の発見者の名前にちなむエポニム(Eponym)として,現代を生きる私たちの間にも息づいている。 文献から歴史を解き明かす手法は臨床疑問の解決や自己研鑽にどう生きるのか。臨床医の清田雅智氏と陶山恭博氏の2人が,文献学(Philology,註1)にヒントを得た医学文献の探索手法と,その醍醐味を語る。 目当ての文献を探して文字を追い,求めた記述が視界に飛び込めば,誰しもきっと胸が高鳴るはずだ。さあ,文献の向こうに立つレジェンドたちとの“対話”を始めよう! 陶山 初期

                      文献渉猟いとをかし | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                    • 医療機関とサイバー攻撃 | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                      あなたは,地域の中核的な医療機関で働く40代の医師である。臨床では中心的な役割を担い,研究でも学会発表,論文執筆と充実した日々を送っている。今年の学会発表は注目を集め,学術賞候補としてノミネートされた。それから数か月たったある日,一通のメール(図)が届いた。勉強熱心な大学院生であろうか。真摯な姿勢が文面から伝わってくる。あなたは,何の疑いもなく添付ファイルを開封してしまう。その結果起こることは……。 このメールは,実在の医療機関のある医師に,実際に送付された標的型攻撃メールである。もし本稿の読者が標的型攻撃メールを受け取った経験がないのであれば,今はまだ幸運の中にいるか,ひょっとしたらすでに受け取り,開封したことにすら気付いていないのかもしれない。残念なことに,危険な標的型攻撃メールほど一般のウイルス対策ソフトで検出できないことを確認した上で送り付けるため,検出されない。メール開封前のまさ

                        医療機関とサイバー攻撃 | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                      • 人はなぜミスをしてしまうのか | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                        対談・座談会 小松原 明哲,松村 由美 2021.08.23 週刊医学界新聞(通常号):第3433号より 医療者は患者を救うため,日々,最善を尽くしている。しかしどれだけ注意を払っていても,ふとした瞬間に起こるヒューマンエラー(ミス)によって,せっかくの努力が水泡に帰してしまうことがある。 では,そもそも人はなぜミスをしてしまうのか。長年,人間生活工学の見地から医療をはじめ多くの産業現場でのヒューマンエラーを見つめてきた小松原明哲氏と,ヒューマンファクターの観点から医療安全管理室にて病院業務の見直しに取り組む松村由美氏が対談を行った。 松村 ヒューマンエラーに起因する医療事故と一口に言っても,「医学上の事故」と「業務上の事故」の大きく2通りに分けられると,以前小松原先生から伺ったことがあります。対談を始めるに当たり,まずはこの点を整理いただけますか。 小松原 前者は,後から考えると提供した

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                        • 悩み,失敗して“個性”を獲得する医師の道を歩んでほしい | 2011年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                          シリーズ:この先生に会いたい!! 悩み,失敗して“個性”を獲得する医師の道を歩んでほしい 感染症との闘いを経て,君たちへのメッセージ WHOアジア地域における小児麻痺(ポリオ)の根絶を達成し,2003年のSARS対策では陣頭指揮をとるなど,世界の保健医療の発展に貢献してきた尾身茂氏。氏の天職とも言える感染症対策や公衆衛生との出合いに至る背景には,自分探しに明け暮れた"彷徨の青春時代"と"自己との格闘の日々"がありました。 「悩む」ことは若者の特権とも語る氏が,感染症との闘いを経た今だから伝えたいメッセージ。自分を知り,自分の個性を確立するためにはどうすればよいのか。悩める医学生・研修医に贈ります。 渡邊 約20年間WHOに勤務されたなかで,最も印象的なことは何ですか。 尾身 いろいろな経験をしましたが,あえて挙げるとすればアジアにおけるポリオの根絶とSARS対策の2つです。 1990年にW

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                          • かくて生まれり,「8割おじさん」 | 2020年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                             【シリーズ】 この先生に会いたい!! かくて生まれり,「8割おじさん」 西浦 博氏 (京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻 教授) に聞く <聞き手>村山 泰章さん (国際医療福祉大学医学部1年生) 南アジアの山岳地帯で,その青年は悩み続けた。志願して参加した国際保健活動で援助の在り方に疑問を感じ,行動を起こす。その後,一冊の本との出合いをきっかけに研究に没頭するようになる。やがて海外での武者修行を決意し,まるで旅人のように諸外国を渡り歩いた。帰国後は日本における理論疫学の先駆者として活躍。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に際しては,厚労省クラスター対策班の支柱となる――。科学者としての信念を貫く「8割おじさん(80% uncle)」は,そんなふうにしてつくられた。 村山 医学生の立場で厚労省のクラスター対策班に参画して,西浦先生と2か月ほど一緒に仕事をさせてい

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                            • 新たな研究・論文出版体系の確立を(大隅典子,林和弘) | 2023年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                              「今後の研究・論文出版の在り方を考えた時,論文を発行している研究者コミュニティの問題としてとらえざるを得ず,OA化の議論は,学会をこれからどうしたいか,どう変えていくかとの命題に変わっていく」。こう発言したのは,長年オープンサイエンスやオープンアクセス(OA)化の推進に尽力してきた林和弘氏だ。学会の在り方をも変えてしまうほどに大きな影響力を持つようになった研究・論文出版を取り巻く問題は,今後どうなっていくのか。弊紙連載「オープンサイエンス時代の論文出版」(2023年5月~,全5回)の総まとめとして,連載を執筆した大隅典子氏と共に議論していく。 大隅 従来の研究・論文出版を取り巻く問題は,購読費の高騰による施設単位で購読可能なジャーナル数の減少が引き起こすインプット面での問題が中心でした。しかし現在,これらの問題に加えて論文掲載料(APC)の高騰に伴った論文出版というアウトプットの部分にまで

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                              • 過剰診断で悲しむ人をゼロにしたい | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                対談・座談会 髙野 徹,緑川 早苗,服部 美咲 2021.02.15 週刊医学界新聞(通常号):第3408号より 2011年3月に起こった,東日本大震災と福島第一原子力発電所事故(以下,福島原発事故)から間もなく10年を迎える。今もなお福島県では多くの子どもたちが甲状腺癌の検査を受けており,その結果,本来は生涯で治療の必要のない癌が多数診断される「過剰診断」が問題となっている。 過剰診断はなぜ患者にとって不利益となるのか。この10年間から学ぶべき「医療の在り方」とは何か。これらの問いに対して,福島原発事故当初から検査に伴う甲状腺癌の過剰診断について問題提起を行ってきた医師らとジャーナリストが議論した。 髙野 福島原発事故当時に福島県に在住していたおおむね18歳以下の方々を対象に,2011年10月より現在まで福島県「県民健康調査」甲状腺検査1)(以下,福島甲状腺検査)が実施されています。これ

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                                • 新春随想 2021 | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                  寄稿 日比 紀文,喜田 宏,國井 修,島袋 香子,カール・ベッカー,中村 美鈴,村垣 善浩,阿部 彩,菅野 武,紅谷 浩之,中垣 恒太郎,榎木 英介 2021.01.04 週刊医学界新聞(通常号):第3402号より 基礎と臨床をつなぎ炎症性腸疾患の克服をめざす 日比 紀文 北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センターセンター長 消化器病学は,腫瘍,炎症および機能性疾患の3分野に大別される。そのうち腫瘍分野においては,内視鏡など医療機器の発達も相まってその診断および治療への日本の医師の貢献は素晴らしいと感じている。しかし私は炎症分野での活動を通して,臨床医学における国際性さらには指導力という面ではまだまだ自分たちの力不足を痛感している。 潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患は,日本では稀少疾患と考えられていたものの患者数は増加の一途をたどっている。原因はいまだ解明されていないが

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                                  • リスクコミュニケーションで皆が望む社会をめざす | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                    対談・座談会 武藤 香織,田中 幹人,奈良 由美子 2021.04.19 週刊医学界新聞(通常号):第3417号より 複合的なリスクであるCOVID-19では,あらゆる層の人が不利益を受けている。このリスクに立ち向かうために,リスク情報とその見かたの共有を目的とするリスクコミュニケーションはどう実践されるべきか。厚労省や内閣官房,東京都などの行政機関でCOVID-19対策に深くかかわる3氏が,リスクコミュニケーションの実践と課題を多方面から議論した。 (2021年3月2日Web収録) 武藤 COVID-19の流行と対策が1年以上続く中で,リスクコミュニケーションは課題であり続けています。 本座談会では,科学技術にまつわるリスクについてメディアを介した研究を行う田中先生と,市民対話を通じて研究する奈良先生と共に,コロナ禍のリスクコミュニケーションの実践を振り返りつつ,喫緊の課題であるCOVI

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                                    • 「心を発見する」プロセスに向き合う 日本公認心理師協会の会長就任に当たって(信田さよ子) | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                      開業カウンセラーとして依存症やドメスティック・バイオレンス(DV)などの問題に長年取り組んできた公認心理師・臨床心理士の信田さよ子氏が,本年6月に日本公認心理師協会の第4回臨時理事会において日本公認心理師協会の会長に就任した。長年の課題であった国家資格化を定めた「公認心理師法」の公布から今年で7年。公認心理師のさらなる活躍が期待されるなか,求められるものとは何か。信田氏に,会長就任までの経緯や今後の展望について聞いた。 ――日本公認心理師協会の会長就任おめでとうございます。まずは就任までの経緯をお聞かせください。 信田 2021年の秋頃に会長就任を打診されました。仕事が立て込んでいるため初めは断ったのですが,その後事務仕事が苦手な私を支えていただけることがわかり,さまざまな状況を考えた上で,最終的に会長を引き受けることを決断しました。 ――信田さんが推挙された理由は何だったのですか。 信田

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                                        • 他者理解を促すためのブックガイド(3)介護小説としてカフカ『変身』を読む(小川公代) | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                          ある朝,目覚めてみると虫のような姿に変身してしまっていたグレゴール・ザムザと彼の家族との関係がリアルに描かれた『変身』(1915年)は,フランツ・カフカの代表作である。ドイツ語から邦訳した多和田葉子は,この小説を,「読み返す度にこれまで見逃していた細部が浮かび上がってきて,全く別の物語を結ぶ作品」と評し,「今回は介護の物語が読めてしまった」と書いている1)。突如としてザムザが変身して部屋から出られなくなったことで,「一家の稼ぎ手が逆に介護される立場にな」ってしまうからだ1)。 そういう視点から読んでみると,確かに,従来の解釈であった「虫」や「毒虫」のザムザというより,「介護が必要になった」ザムザが浮かび上がる。彼が変身してしまった生き物は原書では“Ungeziefer”と表現されているが,多和田はこのドイツ語をそのままカタカナの「ウンゲツィーファー」と表記した上で,括弧内に「生け贄にできな

                                            他者理解を促すためのブックガイド(3)介護小説としてカフカ『変身』を読む(小川公代) | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                          • 医学書院/週刊医学界新聞 【〔連載〕続・アメリカ医療の光と影(14)(李啓充)】 (第2526号 2003年3月10日)

                                            〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第14回 病院経営への株式会社参入をめぐる論議について 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (前回2525号) 米国医療の轍 前回まで4回,米国第2の病院チェーン,テネット社が昨年引き起こした一連のスキャンダルを紹介した。営利獲得を第1目標とする病院株式会社が,医療をどこまで歪め得るかということが,実例でおわかりいただけたことと思う。 テネット社の例をあげるまでもなく,米国の巨大病院チェーンの多くは,その過去に「組織ぐるみの診療報酬不正請求」などの犯罪歴があり(註1),なぜ,日本で「株式会社による病院経営を認めると医療の質がよくなる」などとする議論が真剣に行なわれているのか,私には不思議でならない。株式会社による病院経営を認めよと主張する人々は,「ビジネスチャンスの拡大」が目的であると臆面もなく公言しているが,ここ数年間,米国の医療が営利追求の場となること

                                              医学書院/週刊医学界新聞 【〔連載〕続・アメリカ医療の光と影(14)(李啓充)】 (第2526号 2003年3月10日)
                                            • HPVワクチンの接種率向上に向けて何が求められているのか - 医学書院/週刊医学界新聞(第3378号 2020年07月06日)

                                               【寄稿】 HPVワクチンの接種率向上に向けて何が求められているのか 木下 喬弘(医師・MPH) COVID-19のニュースが毎日メディアをにぎわせている中,日本には公衆衛生上極めて重要な未解決課題が残されていることをご存じだろうか。2013年に厚労省が定期接種化からわずか3か月で「積極的接種勧奨の差し控え」を決定した,ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関する問題である。本稿では,米ハーバード大公衆衛生大学院で日本のHPVワクチン行政の研究に携わるとともに,Twitterを中心にHPVワクチンの啓発活動を行ってきた自身の経験から,「今,接種率向上に向けて何が求められているのか」を概説する。 HPVワクチンの効果と日本での積極的勧奨差し控え 「マザーキラー」として知られる子宮頸癌は,20~40代の若年女性に発症することが多く,日本では毎年およそ1万人が罹患し約2800人が死亡してい

                                                HPVワクチンの接種率向上に向けて何が求められているのか - 医学書院/週刊医学界新聞(第3378号 2020年07月06日)
                                              • 傷の声  | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

                                                本書の出版を前に著者が逝去されるという事態を受け、弊社では、深い悲しみのなか、本書出版の是非について思い悩み続けました。様々なご意見に耳を傾け、本書が社会に与えるインパクト、専門出版社としてなすべき役割について、時間をかけて慎重に検討を続けてまいりました。 「シリーズ ケアをひらく」では当事者の語りを大事にしてまいりました。本書もまた例外ではなく、当事者にしか書くことのできない貴重な内容を伝えています。著者は、長期反復的なトラウマ体験から生じる複雑性PTSDをかかえ、大きな苦しみのなか、自傷をすることによって生をつなげてきたことを綴っておられます。著者は、トラウマに向き合うという決意のもとに本書の執筆を開始されましたが、そこには自らの苦しみの源泉を明らかにし、回復を模索しようという未来に向けての意図もありました。 著者には、精神科の患者に向けられている社会の偏見を払拭したいという思いがあり

                                                  傷の声  | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院
                                                • 一般用医薬品による薬物依存の実態 | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                  薬物依存というと,多くの人は覚醒剤や大麻といった違法薬物を連想するかもしれない。確かに,わが国の薬物依存臨床における中心的な依存性物質は覚醒剤であり,これまで薬物依存に対する治療や支援は覚醒剤乱用者を中心に議論されてきた。しかし,違法薬物ではなく,医療者にとって身近な医薬品を原因とする薬物依存が近年増加している。 例えば,精神科医療施設における薬物依存患者を対象とする全国調査によれば,睡眠薬や抗不安薬(主としてベンゾジアゼピン系薬剤)といった処方薬や,咳止め,風邪薬といった一般用医薬品を乱用し薬物依存となる患者が,覚醒剤に次ぐ患者群になっている(図)1)。一般用医薬品(以下,市販薬)とは処方箋なしでも薬局やドラッグストアで気軽に購入できる市販薬のことであり,カウンター越しに販売される医薬品という意味から,OTC薬(Over The Counter Drug)とも呼ばれる。また,救急医療の現

                                                    一般用医薬品による薬物依存の実態 | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                  • Apple Watchの心電図アプリユーザーとの日常診療での向き合い方 | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                    2020年9月,Apple Watchの心電計で得られた心電図の測定プログラム,ならびに心房細動の自動判定・通知プログラムが日本においても医療機器として認定され,2021年1月末より一般利用が可能となりました。テレビコマーシャル等においても心電計機能がアピールされ,医療者の中にも既に自分の心電図を測定してみたり,あるいは心房細動が疑われる不規則な心拍通知を受けた方もいるのではないでしょうか。本稿では,一般のApple Watchユーザーに対して,医療者がどのように向き合い,これら機能を活用していくのが良いかの私見を述べます。 FAQ 1 Apple Watchでどのような機能が使えるようになったのでしょうか? 今回Apple Watchで開放された機能は①家庭用心電計プログラムと②家庭用心拍数モニタプログラムの2種類からなり,いずれも家庭用プログラム医療機器(クラスII)として承認されまし

                                                      Apple Watchの心電図アプリユーザーとの日常診療での向き合い方 | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                    • [重要]クレジットカード決済の取扱停止について | 2024年 | お知らせ | 医学書院

                                                      日頃より弊社サービス・商品をご愛顧いただき誠にありがとうございます。 医学書院ウェブサイト(当サイト)での商品ご購入につきまして、クレジットカードの不正利用が多発しておりますため、当サイトにおけるクレジットカード決済のお取扱を一時的に停止させていただきます。ご不便をおかけし誠に申し訳ございませんが、当サイトでの商品ご購入にあたりましてはコンビニ決済(現金)/銀行振込のいずれかのご利用をお願いいたします。 お客様の会員情報およびクレジットカード情報が当サイトから漏洩した事実は確認できておりません。 ■変更点 書籍・雑誌などの商品購入におけるクレジットカード決済の一時的な取扱停止 ■変更日時 2024年1月16日(火)18:00~ なお、弊社刊行物につきましては下記「医学書院刊行物取扱い店」等にてお求めいただけます。 ■医学書院刊行物取扱い店 https://www.igaku-shoin.c

                                                        [重要]クレジットカード決済の取扱停止について | 2024年 | お知らせ | 医学書院
                                                      • コロナ禍の自殺問題 | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                        新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長引く影響から,経済や雇用環境などが悪化し,自殺者数の増加が問題となっている。2020年の自殺者は2万1081人で,2019年の2万169人を上回った1)。対前年比で男性は23人減少したのに対し女性は935人増え1),女性の自殺者の増加が懸念される。 患者に日々向き合う医療者は,コロナ禍の自殺問題をどうとらえればよいか。自殺対策に長年かかわる本橋豊氏は「非常時こそ自殺問題に関する常識が試されている」と語る。災害時の心のケアに長年携わってきた精神科医の金吉晴氏と共に,コロナ禍の自殺問題を洞察するための視点が検討された。 本橋 COVID-19は本邦の自殺問題をあらためてクローズアップしました。一般に大規模災害の後には被災者のメンタルヘルスが悪化し,自殺者数が増加することが知られています。感染症パンデミックも一つの災害(クライシス)ととらえられるの

                                                          コロナ禍の自殺問題 | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                        • こころが動く医療コミュニケーション(終了) | 連載一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                          連載 こころが動く医療コミュニケーション(終了) 患者さんの意思決定を支え、行動変容を促すにはどのようなかかわりが望ましいだろうか。 行動科学の視点から、コミュニケーションを通したアプローチの可能性を探ります。 中島 俊(なかじま・しゅん)氏 国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター臨床技術開発室長 2006年北海道医療大心理科学部卒。博士(医学)。東京医大助教,帝京大文学部専任講師などを経て19年より現職。臨床心理士,公認心理師。「患者さんだけでなく,医療者にも優しい医療をモットーに日々臨床や研究に励んでいます」。

                                                            こころが動く医療コミュニケーション(終了) | 連載一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                          • オープンサイエンス時代の論文出版(3)「転換契約」始まる(大隅典子) | 2023年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                            連載第3回となる本稿では,高騰するジャーナル購読料と論文掲載料(APC)への対応策の1つである「転換契約」について紹介する。 オープンサイエンスが推進される背景 「インターネットにつながっていたらどこでも誰でも論文を読める」のは,研究者にとって理想の環境であることは言うまでもない。過去2回の記事では「論文」という視座から述べてきたが,知の形態はもはや「論文」の様式を取らないものも多々ある。情報科学分野ではデータを扱うコードそのものが次々と発表され,医学生命科学分野では各種の遺伝子発現情報等がオープンデータとして公開されるなど,その動きは加速度的に増している。 日本では,2016年1月に閣議決定された第5期科学技術基本計画において「Society 5.0」のコンセプトが打ち出された。これは,狩猟社会(Society 1.0),農耕社会(Society 2.0),工業社会(Society 3.

                                                              オープンサイエンス時代の論文出版(3)「転換契約」始まる(大隅典子) | 2023年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                            • 第2回 送迎車にKinki Kidsが流れるとき|かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-

                                                              中山求仁子(なかやま・くにこ) 2017年から18年まで、神奈川県のとある放課後等デイサービスの管理者として勤務。自身も幼少期から横綱級ADHDであり、現在は双極性障害も発症している。 大阪大学文学部美学科音楽演劇学コース卒業。高校時代よりモダンダンス、大学入学と同時に小劇場演劇を始める。2001年退団以降、人生自体が演劇のような双極 I 型ジェットコースターライフを送っている。韓国映画と韓流ドラマをこよなく愛す。 送迎なくして、放デイにあらず。 おおげさではない。 働き始めてほどなく、私は角形自動車の「キューブ」を、あちらの小学校からこちらの養護学校、そちらの中学校からまたこちらの小学校へと乗り回し、複数の市を横断しながら子どもたちを送迎していた。 ■「かかわりあい」は、クルマに乗る前から始まっている 子どもたちは、学校での出来事や感情を引きずって下駄箱にやってくる。よくよく「目で触る」

                                                                第2回 送迎車にKinki Kidsが流れるとき|かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-
                                                              • 健康と自殺から考える予防的介入(玉手慎太郎,末木新) | 2024年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                                平常時からの「予防的なかかわり」が前提とされる点で共通する,公衆衛生と自殺。個人の自由の尊重を基本的な価値とみなす現代社会において,予防的介入が無制限に許容されることはない。本紙では,公衆衛生倫理を専門とする倫理学者の玉手氏,自殺や自殺予防を専門に研究する心理学者の末木氏による対談を企画。ヘルスケアや自殺を考える際に生じる葛藤やもやもや感について,広く議論した。 末木 私は臨床心理学を専門に,自殺や自殺予防を中心とした研究を行っています。主軸は自殺予防におけるインターネット関連技術の活用にあり,NPO法人OVA(オーヴァ)の行っているインターネット・ゲートキーパーという検索連動型広告1)を用いた自殺の危機介入にかかわっています。そうした研究・実践を通して,より良い危機介入の在り方を模索しているところです。 玉手 私はもともとは経済思想や政治思想を勉強していて,博士号を取得した後,縁があって

                                                                  健康と自殺から考える予防的介入(玉手慎太郎,末木新) | 2024年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                                • FAQ Refeeding症候群 | 2020年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                                   【FAQ】 患者や医療者のFAQ(Frequently Asked Questions;頻繁に尋ねられる質問)に,その領域のエキスパートが答えます。 今回のテーマ Refeeding症候群 【今回の回答者】大村 健二(上尾中央総合病院外科 外科専門研修センター センター長) 慢性の低栄養状態の症例に対し栄養の投与を開始した際,発生する可能性がある重篤な病態がrefeeding症候群です。なぜ低栄養状態の症例に栄養を投与することがいけないのか。その発生機序と生じる代謝異常を理解することは,この重篤な病態の予防に極めて重要です。 ■FAQ1 Refeeding症候群はどうやって発見されたのでしょうか。また,どのような病態なのでしょうか。 Refeeding症候群は,長期間持続した高度の低栄養状態の患者さんに,栄養を投与することが原因で発症します。 Refeeding症候群であったと思われる

                                                                    FAQ Refeeding症候群 | 2020年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                                  • シリーズ この先生に会いたい!! 松本 俊彦氏に聞く 依存症に潜む苦痛と向き合う(松本俊彦,古賀公基) | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                                    「意志が弱い」「快楽主義」といった先入観の下,長年スティグマを押し付けられてきた依存症。「依存症の本質は快感ではなく苦痛の緩和にある」と語るのは,日々の診療にとどまらず治療プログラムの開発や保健行政機関と連携した地域での活動など,多方面で依存症治療に尽力を続ける松本俊彦氏だ。医師は,行き場のない苦痛の緩和を依存に求める患者,そして彼らへのスティグマに対して何ができるのか。今春より精神科医として歩み始めた古賀公基氏(長崎大)が松本氏にインタビューを行った。 古賀 IR誘致などで注目が集まる中,依存症治療の需要は増加し今後さらなる社会問題になると考え,危機感を抱いています。そんな折,先輩医師に紹介されて松本先生の著書を拝読しました。当事者の抱える苦悩やつらさが生々しく描かれ,それに対するアドバイスが実用的で,以来先生のことを私淑しています。 松本 ありがとうございます。 古賀 診療が難しく,苦

                                                                      シリーズ この先生に会いたい!! 松本 俊彦氏に聞く 依存症に潜む苦痛と向き合う(松本俊彦,古賀公基) | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                                    • ネコと腎臓病とAIM研究 | 2020年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                                      ネコの多くは腎臓病で亡くなるが,なぜネコで高頻度に腎不全が生じるのかは長らく不明であった。宮崎徹氏はAIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)というタンパク質の発見・機能解析を通してその原因を究明。ネコの腎不全の革新的治療法の開発に取り組んでいる。さらにはAIM研究の発展により,ヒトのさまざまな疾患の治療・予防への応用も期待されるという。 慢性腎不全の愛猫を長年にわたり在宅で看護してきた宮子あずさ氏と,AIM製剤の実用化をめざす宮崎氏の対談を通して,AIM研究の現状と展望からネコ・ヒトの生老病死までを考える。 宮子 2012年に他界した母(作家の吉武輝子氏)がネコ好きだったこともあり,私は高校生の頃に親元を離れてから現在に至るまで,ほぼ絶え間なくネコと一緒に暮らしてきました。1匹が天に昇ると,またすぐに飼い主のいない猫をわが家に迎え入れることを繰り返してい

                                                                        ネコと腎臓病とAIM研究 | 2020年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                                      • 集中治療体制をいかにして再構築するか | 2020年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                                         【interview】 COVID-19対策の「最後のとりで」 集中治療体制をいかにして再構築するか 西田 修氏(藤田医科大学医学部麻酔・侵襲制御医学講座主任教授/日本集中治療医学会理事長)に聞く 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を機に,日本の集中治療体制の脆弱性が指摘された。来る第2波に向けて集中治療体制をいかにして再構築するか。日本医師会COVID-19有識者会議「COVID-19集中治療体制にかかわるタスクフォース中間報告書」(2020年5月25日)1)を踏まえ,同タスクフォース班長を務めた日本集中治療医学会理事長の西田修氏に聞いた。 ――COVID-19の第1波を振り返って,今の心境からお聞かせください。 西田 欧米でみられたような最悪の事態に至らなかったことに,ひとまず安堵しています。感染爆発によって重症者数が集中治療のキャパシティを超え,本来なら助かる

                                                                          集中治療体制をいかにして再構築するか | 2020年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                                        • 疫学は続くよ,どこまでも | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                                          対談・座談会 中村 好一氏,川端 裕人氏 2021.01.18 週刊医学界新聞(通常号):第3404号より 2020年はCOVID-19の感染拡大に伴い疫学研究の存在感が高まりをみせた1年となりました。論文におけるデータ解釈の仕方など,あらためて勉強し直したいと思った方も多いのではないでしょうか。 このたび,疫学の入門書として定評のある『基礎から学ぶ 楽しい疫学』(医学書院)が7年ぶりに改訂,第4版が出版されました。本書を上梓した中村氏と,第2版から本書を愛読し,小説『エピデミック』(2007年角川書店,2020年に集英社文庫)では疫学者らの感染症との闘いを描いた川端氏が,疫学の奥深さと魅力,その可能性を語り尽くしました。 中村 私が医学部に入学した1970年代の医学は「勘と経験の世界」。まだ科学的とは言えませんでした。大学でサイエンティフィックな領域を探す中で出合ったのが疫学です。私は疫

                                                                            疫学は続くよ,どこまでも | 2021年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                                          • 過去・現在・未来で読み解く,日本の予防接種制度(齋藤昭彦) | 2014年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                                            齋藤 昭彦(新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野 教授)=執筆 ■過去:伝染病の減少,ワクチンの普及に伴う副反応・有害事象との闘いの歴史から学ぶ 予防接種は,人類の歴史に多大な影響を与えてきた。現在,世界では,21の感染症に対するワクチン(表1)が開発され,その普及によって感染症の防御・制圧に成功している。 一方,そのような輝かしい効果の裏には,ワクチンによる副反応,有害事象(ワクチンと実際には関係のない,ワクチン接種後に起こる負の事象)の歴史もある。特に本邦の予防接種制度の歴史は,ワクチンの副反応,有害事象に影響を受けながら変遷を遂げてきた(表2)。 百日咳ワクチン中止による百日咳患者の増加 代表例としては,百日咳と百日咳ワクチンをめぐって予防接種制度が変遷した歴史があげられる。1940年代,国内では年間10万人以上が百日咳に罹患し,その10%が死亡していた。1950年以降に百日咳

                                                                              過去・現在・未来で読み解く,日本の予防接種制度(齋藤昭彦) | 2014年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
                                                                            • 新型コロナウイルス感染症アウトブレイクの記録  | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院

                                                                              はじめに 2020年3月、永寿総合病院で発生した新型コロナウイルスの大規模な感染拡大(アウトブレイク)により、最終的に患者様、病院職員の200名以上が感染し、43名の患者様がお亡くなりになりました。お亡くなりになった患者様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 院内感染が判明してから、当院を取り巻く環境は一変しました。今まで当たり前に行っていた業務が、この日を境に大きく変化しました。このような経験は、誰にとっても初めての出来事でした。 しかも、相手は新型コロナウイルスという未知のウイルスです。感染制御部を中心に、とにかく感染を広げない、そして自分もうつらないよう、手探りのまま対応するしかありませんでした。先が見えず、本当に収束を迎える日がくるのだろうかと途方に暮れたこともあります。結局、アウトブレイクが収束し、外来診療を再開するまでには、2か月以上を要しました。 その後も、他の病院や施設で新

                                                                                新型コロナウイルス感染症アウトブレイクの記録  | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院
                                                                              • 医学書院/週刊医学界新聞 【〔特集〕医学生・研修医のために私が選ぶこの10冊】 (第2478号 2002年3月18日)

                                                                                今年も新学期・入局の季節を迎えます。この時期,読者のみなさんもきっと,書店へ足を運ばれる機会が多くなるのではないでしょうか? 「週刊医学界新聞」では,今年も,医療・医学などの分野でご活躍中の方々に「医学生・研修医のために私が選ぶこの10冊」をお寄せいただきました。ぜひ,これらの本を書店や図書館で手に取ってみてください。そこにはすばらしい出会いがあるかもしれません。 ■大森安惠氏 (東京女子医科大学名誉教授) 推薦したい本は,相手の立場によって異なるので,今回は先達が乗り越えた苦難を知り,医学の発達に尽くした先輩を常に尊敬し,己れの謙虚さを保つという観点から選んだ10冊である。 (1)吉村 昭「ふおん・しいほるとの娘」(新潮文庫・上下巻,1993) 国定の医師免許制度ができる前の,わが国における女医第1号である楠本いねの生涯を描いた吉村昭氏の力作である。男尊女卑の思想の強い中で,敢然と女医に

                                                                                  医学書院/週刊医学界新聞 【〔特集〕医学生・研修医のために私が選ぶこの10冊】 (第2478号 2002年3月18日)
                                                                                • 認知症と見分けにくい高齢者の発達障害を見逃がさないために(佐々木博之) | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

                                                                                  私が所属する研究グループは,以前,認知症と見分けにくい高齢の発達障害患者を見いだし,症例報告を行いました1)。この症例では,認知症を疑われ当院認知症専門外来を受診した60歳前後の方が,詳細な検査や検証の結果,認知症ではなく加齢により顕在化したADHDと診断されました。患者に対してADHDの薬物療法を行ったところ,物忘れや不注意の症状が改善し,復職を果たしています。発達障害と認知症では,治療薬や予後が大きく異なるため,両者の鑑別は意義深いと考えられています。この知見を踏まえて今回,認知症と見分けにくい高齢者の発達障害がどの程度存在するかを明らかにする目的で研究を行いました。本稿では研究の概要を紹介します。 研究を着想したきっかけは,2013年に出会った60代半ばの患者です。介護ヘルパーをしていたその方は,利用者の薬を取り違える,仕事の約束を忘れる,備品を紛失するなど,仕事での不手際が増え,仕

                                                                                    認知症と見分けにくい高齢者の発達障害を見逃がさないために(佐々木博之) | | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院